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「5月までに決めましょう」は「無理」の意 沖縄で流行

2010年4月23日10時6分

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 「前向きに検討します」と言えば、その気がないものの、相手を傷つけずにその場をやり過ごすための建前の表現として使われる。ところで沖縄では最近、こんな言い回しも聞くようになった。「5月までに決めましょう」。結論を先送りする意味ではなく、「その気はありません」「無理です」というニュアンスが込められる。語源はもちろん、米軍普天間飛行場の移設問題で鳩山由紀夫首相が繰り返し表明している「5月末決着」の発言だ。

 移設問題では、昨年の総選挙で鳩山氏が「最低でも県外移設が期待される」と明言したことから、沖縄では「県外、国外」を求める世論が高まってきた。ところが、いっこうに県外移設の動きが進展せず、政府内でも県内移設が検討されていることから、首相への信頼が失われつつある。こうした結果、首相の言葉がブラックジョークに使われるようになったようだ。

 那覇市中心部のスナックで使用方法をママさんに尋ねた。酔ったお客がホステスに愛を語り、デートに誘うことは珍しくない。そんな時、ホステスが「5月までに決めましょう」と返すと、お客は苦笑いをしてあきらめるという。「基地の県外移転は、『無理です』では済まないですけどね」。ママさんは真顔だった。(田中久稔)

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