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福岡の男性、痴漢無罪 「被害者の供述に矛盾」

2010年4月23日8時13分

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 スーパーマーケットで女性客3人に触ったとして、経済産業省九州経済産業局に勤める福岡市の男性(36)が福岡県迷惑防止条例違反(痴漢行為)の罪に問われた事件の判決公判が22日、福岡簡裁であり、田川晃義裁判官(末松宏之裁判官代読)は「被害者の供述を全面的に信用することができない」として無罪(求刑罰金30万円)を言い渡した。男性は2007年に県警に逮捕された当時から一貫して否認していたという。

 男性については、07年7月14日午前1時20分ごろの数分間に、福岡市中央区のスーパー店内で、すれ違った女性3人の尻などを手で触ったとして、福岡区検が簡裁に起訴していた。当時男性は酒を飲んだ後だったという。

 裁判では、女性3人の法廷での供述の信用性が争点となった。判決は、店の防犯カメラの映像と、3人の捜査段階と法廷での供述を比べ、多くの矛盾点があると指摘。一人については映像を見た後に、映像での進行経路に合う形で供述を変えている、とした。

 そのうえで「供述の不合理、不自然な変遷、記憶の不確かさに起因する供述のあいまいさ、食い違いがあることは明らかだ」として、女性側の供述の信用性を否定。「犯行を認定するに足りる証拠がない」と結論づけた。

 弁護側は防犯カメラの画像を詳しく解析。実際に尻をさわる鑑定実験の結果なども簡裁に提出していた。

 判決を受け、男性は弁護人に「冷静に判断してもらい、裁判所に感謝している」と述べたという。主任弁護人の美奈川成章弁護士は「客観的な画像があったので、言い分が認められた」と語った。

 福岡地検の糸山隆次席検事は「判決文を検討し、上級庁とも協議のうえ、適切に対応したい」とコメントした。

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