テレビ中継された「オレを追い出す気か！」首相と議長怒鳴り合い

　イタリアの首都ローマで２２日に行われたベルルスコーニ首相の与党「自由国民」の党大会で、首相と党ナンバー２のフィーニ下院議長が党の政策などをめぐり怒鳴り合った。議長が上下院議員約５０人を率いて離党する可能性も指摘されており、与党は分裂の危機を迎えている。

　大会はテレビ中継されていた。これまでも不和が指摘されていた首相と議長だが、公衆の面前で批判を応酬したのは初めて。与党分裂で政権が議会の過半数を失い、解散総選挙に追い込まれる恐れもある。

　首相が「（中立的立場であるべき）議長を辞めろ」と迫ると、議長はと叫んだ。演壇に立つ首相の前に議長が近づき、怒鳴り合う場面もあった。

　中道右派「フォルツァ・イタリア」と右派「国民同盟」をそれぞれ率いていた首相と議長は２００８年の総選挙前、両党を合併させ自由国民を発足。しかし総選挙後、首相が連立を組む分離主義政党「北部同盟」との連携を強めたことから、議長の反発を招いた。

　経済的に豊かな北部を代表する北部同盟は北部州の自治権強化のため連邦制導入を主張。一方で議長らのグループは国家の統一を重視しており、当初から連立政権内で協力するのが難しいと指摘されていた。 （共同）

[ 2010年04月23日 08:52 ]