阪神・北摂
飛躍誓い筑波大へ 障害者競泳・三田の山田さん
泳ぎ慣れたコナミスポーツクラブ三田で笑みを浮かべ、「ここで土台ができた。成長してコーチらに恩返ししたい」と飛躍を誓う山田さん=三田市三輪 |
パラリンピックなど世界の舞台で活躍する日本障害者競泳界の若手ホープで、北摂三田高校を卒業した山田拓朗さん(18)=三田市ゆりのき台=が今春、茨城県の筑波大学で新たな競技生活をスタートさせる。トップレベルの選手がそろい、設備も整った環境。「自分で選んだ道。理想の泳ぎをつかみ、2012年のパラリンピック・ロンドン大会でメダルを取りたい」と飛躍を誓う。
生まれつき、左腕のひじから先がない。3歳から競泳を始め、13歳のときに日本史上最年少選手としてパラリンピック・アテネ大会に出場した。08年の北京大会では、5種目のうち得意の100メートル自由形など4種目で見事入賞。だが、時間の経過とともに、「銅メダルには届いたのでは」と悔しさが募ったという。
メダルに向け、再出発の場所に選んだのが同大だった。大学近くで一人暮らしをしながら体育専門学群で学び、水泳部で練習する。「環境を変えないと、メダルを取れないまま終わるのではと思った。賭け、でもあります」と山田さん。
同大には流水設備や側壁に窓が付いたプールが備わる。「片腕で特殊な泳ぎ方だから、自分でもまだいい方法が分からない。授業で知識を身に付け、泳ぎをチェックしながら探りたい」と語る。
飛躍を目指すのには、障害者スポーツ普及への思いも大きい。「パラリンピックには、オリンピックのようなスポンサーが付かない。そんな違いをなくしたい。そのために例えばプロになるとか…。難しけれど、新しいことを働きかけていきたい」と意欲的だ。
目下の照準は8月の世界選手権。「ロンドンへの第一歩。メダルが目標だが、個人メドレーを中心に練習するので、自由形以外のタイムの伸びも大事」と見据える。
夢は膨らむ一方だが、気負いはない。
「障害を気にして外に出られない人もいるし、差別もまだ残っていると思う。障害者スポーツを盛んにできれば、もっと暮らしやすい社会になるんじゃないかな」
(松本寿美子)
(2010/03/31 09:30)
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