あなたは大丈夫!? サラリーマン4割“老後難民”危機
2010/4/22 16:56写真を拡大
あなたの老後の備えは大丈夫だろうか(写真と本文は関係ありません)(写真:夕刊フジ)
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調査は、全国の20代〜50代の会社員・公務員約1万1000人を対象にインターネットを通じて実施した。
[図解]老後の“落とし穴”…離婚でなくなる加給年金
それによると、老後の生活資金としての公的年金について、「安心できる」はわずか6・6%。「あまり安心できない」「不安だ」は計88・9%に上った。その理由については「財源がそのうち枯渇する」「給付額引き下げや支給開始年齢引き上げが実施される」などが多かった。
そして、公的年金の給付額を知っているとした人のうち、「公的年金だけではかなり生活が苦しくなる」「公的年金だけでは生活できない」と回答した人は計84・6%に達した。
年金のほかに定年退職後に必要になる生活資金の総額を聞いたところ、平均で2989万円。しかし、実際に退職後の生活資金として準備している資金は平均516万円だった。
具体的に準備している資金額を聞くと、驚いたことに全体の44・3%が「0円」と回答。0円を含めた500万円未満が75・1%に達した。
このうち、定年退職後の生活が現実味を帯びてくる40代、50代の男性をクローズアップすると、こんな感じだ。
40代の男性では、準備している老後の自己資金が「0円」という人が40・3%もいて、「100万円未満」が13・3%、「100万円〜500万円未満」が18・1%。やはり7割超が500万円未満となり、平均額は556万円だった。
定年退職が近づく50代の男性でも、「0円」が27・7%、「100万円未満」が10・5%、「100万円〜500万円未満」が18・9%。6割近くが500万円未満という結果になった。
ただ、この年代になると3000万円以上準備している人もいて、平均額は892万円とぐっと高くなる。
アンケートを実施したフィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史所長は、「退職後に平均して必要になる(年間の)生活資金額は退職直前の年収の約7割とされ、準備資金0円というのは危機的状況。こうした人たちは『老後難民』予備軍といえる」と警告。老後の資金については「預貯金以外にも長期投資や分散投資などの資産形成が重要」としている。
では、定年退職後にどのくらいのお金が必要になるのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんはこう指摘する。
「老後に1世帯あたりにかかるお金は月23万円程度といわれています。上場企業勤務の人は企業年金も含めて夫婦で25万円程度もらえますが、小さい企業などの場合は月15万円前後で差額は8万円となります。60歳定年から25年間の生活資金として、年金を除き2400万円の自己資金が必要になる計算です」
蓄えができていない人はどうすればいいのか。荻原氏は「年金が支給される65歳まで定年を延長してもらうか、別のところで勤めるなどしてお金を稼ぐこと。60歳までに住宅ローンを終わらせることも大事。そして、奥さんにもパートなどで働いてもらいましょう」とアドバイス。
さらに「現状では株などで運用して資金を増やすのは難しい。借金を減らし現金を増やすことが大切です」という。
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