民主党は22日、公務員制度改革の一環として、労使交渉を担当する「公務員庁(仮称)」を設置する方針を固め、参院選のマニフェストの原案に盛り込んだ。公務員の労働基本権を回復する一方で、労使交渉による給与カットで国家公務員の人件費の2割削減を進める。
原案は、党の地域主権・規制改革研究会(玄葉光一郎会長)が作成した。マニフェストは5月末に正式決定し、来年の通常国会に関連法案の提出を目指す。
「公務員庁」は、幹部職員人事を一元管理する内閣人事局とは別に内閣に置く。定員管理を行っている総務、財務の両省の一部を統合。給与・手当・退職金の規定などを見直すとともに、担当大臣が、民間企業の経営陣と同様に労使交渉の当事者となる。
公務員の給与は中立機関の人事院の勧告に基づき決めている。公務員庁が設置されると、人事院の仕事は公務員共通の研修や官民の給与比較の研究などの分野に限定される。
民主党は昨年の衆院選で、「非現業」の公務員に、労働基本権のうち争議(スト)権と団体交渉権の一部である協約締結権を付与することを公約する一方で、国家公務員の人件費の2割削減を打ち出した。国の出先機関を地方に移管するだけでは不十分で、労使交渉で踏み込む必要があると判断した。(山下剛)