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くらし

視覚障害者の転落防げ 増えるホームの「内方線」 

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ホームの内側を示す「内方線」(点字ブロックの左側)=神戸市中央区、阪神元町駅(撮影・内田世紀)

 視覚障害者が駅のホームから線路に転落したり、電車に接触したりする事故の防止に有効とされる「内方(ないほう)線」の敷設が私鉄やJRの各駅で進んでいる。点字ブロックの横にあり、どちらがホームの内側かを凸型で示す黄色の線で、視覚障害者が白杖(はくじょう)や足裏で判別できる。内方線についての法的な義務はないが、障害者支援団体からは「できるだけ多くの駅に早急に整備してほしい」との声が出ている。

 2008年12月1日、阪急宝塚線三国駅(大阪市淀川区)のホームで、全盲の落語家、笑福亭伯鶴(はっかく)さんが電車に接触し、一時意識不明になった事故が発生。当時、同駅には内方線がなかった。

 阪急は3月末現在、全85駅のうち梅田、三宮など32駅に内方線を敷設。三国駅は昨年5月、障害者団体などの要望を受けて整備された。阪神は今年3月末までに、改良工事中の三宮、御影、鳴尾駅を除く42駅に敷設を完了。京阪も3月、全88駅への設置を終えた。

 一方、神戸電鉄は全46駅のうち6駅、山陽電鉄は全49駅のうち9駅。JR西日本は神戸支社管内79駅のうち須磨海浜公園、さくら夙川駅など40駅にとどまる。阪急など各社は「バリアフリー化など駅改良工事に合わせて進めていきたい」とする。

 乗客の転落事故防止には可動式のドアや柵が有効だが、財政難や車両によってドアの位置が異なることなどから、設置は進んでいない。

 視覚障害者を支援するNPO法人「神戸アイライト協会」理事長で歩行訓練士の森一成さん(56)は「駅のホームは『欄干のない橋』と呼ばれるほど危険な場所。内方線はありがたく、優先的に整備してほしい。車両によって異なるドアの位置が分かるよう、表示も改善してほしい」と話している。

(長沼隆之)

(2010/04/19 15:45)


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