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2010-04-23 即売会周辺ならびに出版関係は、自力でロビーに行け
■[メモ][読書]『「声なき声」をきけ』/天野恵一
ずっと以前に言及したhttp://d.hatena.ne.jp/kamayan/20061116#1163625308、『「声なき声」をきけ』についての天野恵一(あまの・やすかず)の書評の続き。webにあったので以下転載する。
http://www.doujidaisya.co.jp/syohyou_koenakikoe.html
「『高畠さんと話したんだけど、今、声なき声の会には二つの方向があるんじゃあないか。〔略〕結論からいえば、声なき声の会の事務的なものをいっさいトミさんに渡す。
僕も市民運動をやっているけど、学者稼業だし、しかも政治学者でもあるし、これはいいようで悪い。市民運動、政治運動を観察する立場にあるものが、市民運動の事務的なものを十年間も引き受けているのはおかしいじゃないか。それで市民運動がなりたっているのはおかしいではないか。今の若い人と一緒に安保の運動をやっていくのはむずかしい。一時期、若い人が六〇年安保を歴史的な事件として『たより』をやっていたけど、それでは運動にはならない。我々はまた新しい方向を模索した方がいいんじゃあないか。このあたりで新しい運動をおこす余力をのこして、ピリオドをうちたい。/新しい旗をつくったのは、何かのとき、もう一度、運動をやる可能性を残しておきたいと思ったからである。だけど、声なき声をこのまま続けるのはよくない。中味がないのに六〇年以来の市民運動をして、ずるずると看板をあげて形骸化するのはよくない。このあたりで看板をおろすのがよいのではないか。
(学者が運動の事務を担うのは、まったく、おかしい事ではない、「中味がない」と思うのならインテリ稼業の自分たちこそが中味をつくるように努力すべきであろうに)と、会の具体的状況などまったく知らない一読者の私が、思わず無責任に声をあげそうになってしまったくだりである。〔略〕
高畠が運動とまったく切れてしまい、「学者稼業」一本になってしまったことと、あの?デーの時の、マス・メディアのインチキな主張を学術的な表現で言いなおしただけの、学者としてもいいかげんな論理の発表との間には、それなりの因果関係があるように私には思える。運動の中には、他人をでなく自分を「教えみちびく」ものがあるのだ。
小林トミはこの後死ぬまで市民運動「声なき声の会」を続けた。
感じるところのある同志は をクリックされたし。
■[都条例]即売会周辺ならびに出版関係は、自力でロビーに行け
考え違いしている即売会周辺の人々ならびに出版関係の人々は、現在最前線でロビー活動している人たちを大切にしろよ。
「表現を規制」するための政治活動は楽チンだ。金も入る。名誉も入る。
「表現規制に反対する」活動は、金は出ていく一方だ。何も得ない。まじめに活動して前線で体を張った人から潰れていく。マンガ業界同人業界即売会からのバックアップは何もない。それどころか「好きでやっているんでしょ」とか「体壊しても自己責任でしょ」とか冷たい言葉を吐かれて使い倒されて終了だ。AMIの中心メンバーは、ざっと思い出すと、それなりにマンガ家として活動していた人はほとんど活動で生活が潰れた。深刻に体を壊した人もいる。実際のところ、もうAMIには実体は残っていない。
今回、都条例についてはテレビだの新聞だのである程度派手に「反対派」の活動について扱ってもらっている。それは新聞などに手紙を送り続けて下さった諸姉諸兄の力のおかげが大きいと私は思う。
しかしながらですね、「ロビー活動」を実際にしている中枢メンバーはですね、ほとんど同じ人々をですね、皆が使い倒しているのですよ。ある程度ロビーしていそうな雰囲気を出している表現規制反対運動での「著名人」が実際のところ誰を通じて議会へ意見を伝えているのかというと、決して直接自力で交渉しに行ったりしていないんですよ。ロビーに至る事前交渉打診などの事務作業ならびに論点の取りまとめ資料作成などなどほとんど全部同じ人々に頼っているのでありますよ。最前線の人々は全く金にならないばかりか、巨大な金銭喪失して無償でやっているわけでございますが、なぜか人間は無私無償で人間の限界超えて活動している人に対して「もっと我慢しろ」と平気で言えるのでありまして、なぜか全然我慢していない人に対しては「我慢しろ」とは言わないのでありますよ。
多少なりとも自力で手紙を書き送ったり規制反対活動に自分で汗を流し真剣に取り組んでいるこのブログの読者同志諸姉諸兄なら理解できるでありましょうが、表現規制反対活動に真剣になった瞬間、オタクな娯楽を楽しむ暇などなくなるのでありますよ。よって、最前線の同志諸姉諸兄は当然ながら最前線に立った瞬間から、オタクな娯楽一切からほとんど無縁状態になっておりまして、この状態が長く続いて、かつその上、即売会関係とかから要求と依存が続いたりすると、しかも活動すればするほど収入が減ると、即売会がどうなろうがマンガなどの出版業界オタク業界がどうなろうが、正直言って知ったこっちゃない、という感覚に徐々に近づいていくのでありますよ。私ももう数年、マンガは「怪物王女」と「絶対可憐チルドレン」以外はほとんど読まなくなり、ゲームは元々全くやらないしライトノベルは読まなくなって20年近く経っているし、収入も完全にオタク業界とは無縁になりましたし同人誌即売会にもこの先おそらく参加することは死ぬまでないでありましょうから、全然オタク業界とは無縁ちゅうたら無縁なのでございますよ。最前線の人たちも似たような状態になってくるのでありますよ。だというのに即売会周辺だの出版関係だの大学関係だの、苦労の少ない人たちは、何か勘違いをしているらしくて、自分でロビーする「勇気」と「根性」すら持たないくせして、経験者にそれをやれと要求し、そしてその過剰な要求によって市民活動最前線が潰れると「自己責任」だと言うのでありますよ。日本のために特攻した兵士たちに「自己責任だ」と言うているのとそれは同じでありますよ。
現在の表現規制反対活動は過去最高の広がりを見せているというのは一方で事実でありますが、現在の表現規制反対活動の最前線は過去最大級の活動をしておりまして、過去に比類のない、おそらく他の市民活動と比べてもあまり類のないほどの限りない無償労働をしておりまして、こんな状況が継続すると思っているとしたら、それは大間違いなのでありますよ。端的に言って、人間が無収入に近い状況でいったいどのくらいの期間活動していられるかということを考えれば、タイムリミットは自ずと分かるのであります。この先何年も続けられるわけがないのであります。我々の最前線は比類なく強いのでありますが、補給が絶無なのであります。しかも当事者なのは本当は即売会や出版社なのでありまして、最前線はそれに比べたら当事者度は低いのでありまして、当事者が善意のボランティアである前線に要求と依存をしているのはおかしいのであります。最低限補給するか、補給しないのなら自分が前線に立つべきであります。
と、多少なりとも最前線を経験した身として言わせていただきます。
即売会周辺ならびに出版関係ならびに学者、そうそう、とくに明治大学国際日本学部講師陣ならびに経営陣は、自力でロビーに行け。規制が成立したらそんな学部は成立しなくなる。とくに明治大学は名の通った法学部を持っているんだから法学部講師陣運営陣も使って本気で動け。出版社も少しは本気になれ。お前らヌル過ぎる。いつまでも自分が前線に立たなくて大丈夫だとかバカな考え違いしているんじゃない。
自分で行けないのなら、今現在最前線で頑張っている人々を、もっと大切にしろ。AMIが潰れたように、そう遠くなく最前線は潰れておかしくない。
もちろんこれは上記『「声なき声」をきけ』の天野恵一(あまの・やすかず)書評と深い関係があります。
某情報源 2010/04/23 01:32 受益者負担になってないんですよね、結局。
業界がよってたかってボランティアの善意に寄生して、食いつぶしてる始末。
社会的責任も果たそうとしないですし。