【社説】検察がスポンサー文化から抜け出すには
慶尚南道のある建設会社の元経営者が、1984年から2009年まで、釜山・慶尚南道地域で勤務していた検事60-70人に対し、酒の席での接待、現金、さらに一部では性的な接待まで提供していた事実を告白し、その内容についても赤裸々に公開した。このような行為を行う人物は通常、「スポンサー(後援者)」などと呼ばれている。この元経営者は検事や検察庁職員の会食、歓送迎会、スポーツイベントなど、数々の行事でスポンサーとなり、毎月30万ウォン(約2万5000円)から100万ウォン(約8万4000円)の現金を提供してきたという。元経営者本人によると、計10億ウォン(約8400万円)以上になるそうだ。この人物が実名を挙げた検事の中には、現職の検事長クラスの幹部二人も含まれていた。
検事がスポンサーから酒やゴルフ接待、さらに現金の提供を受ける慣行は、かなり前から続いてきた。捜査の権限を持つ検事には、その権限を利用しようとする輩が常につきまとう。地縁・学閥を利用するのは当然で、時には親せきまで動員して検事に近づこうとする。検事がこれらの輩からたとえ1回でも金を受け取ってしまうと、当然その事実につけ込まれ、そこから抜け出すのは難しい。そのため検事は、大手企業の管理対象に成り下がりやすい。大手企業は、企業そのものやオーナーが違法行為を犯して捜査対象となることに備え、普段から検事たちに金をばらまき、管理しようとする。かつてはサムスンがこの問題で大きな非難を受けた。このようにして大手企業は政官界での人脈を動員し、時には検事の昇進にまで影響力を行使しようとする。検事が企業に対して捜査を行う際、企業側の意向通り動かない場合には、企業は巨額を投じて水面下で検事を脅迫する。
このような文化や慣行の中で、検事が独自に清廉さを保ち続けるのは非常に難しい。まずは検察組織の内部で「変わり者」という烙印を押されてしまう。検察が今やるべきことは、このような文化や慣行に若い検事たちが染まらないようにすることだ。10-15年の経歴を持ち、過去の慣行に染まりきってしまった中間幹部の体質を、今になって正すことなど不可能だ。10年、15年先を見据え、若い検事が今後身を正すことができるような環境を整えなければならないということだ。そのためには、今回の事件を徹底して捜査し、汚職に関係した検事は容赦なく裁くことで、若い検事が教訓を得るようにすべきだろう。「検事は職務の遂行に当たり、その公正さが疑われるような者と交流してはならない」という検事倫理綱領が単なる綱領として終わるのではなく、検事としての仕事を始めた瞬間から、体に染みこませなければならない。
検察は自分たちの汚職が問題となるたびに、特別監察本部を立ち上げるなどと騒いで問題解決に取り組むふりをするが、どれも竜頭蛇尾に終わっている。検事に対して逮捕・起訴・解任などの厳しい処分が下されたことなどほとんどない。せいぜい辞表を提出させるか、定期的な人事異動で密かに左遷させる程度だ。そのときも、「検事は金を受け取ったが、代償がないため処罰は難しい」と開き直っている。過去に検察は、収賄が疑われる野党国会議員の捜査を行う際、見返りがあったことを立証するため、その国会議員が国会で行った政策発表の内容まで厳しくチェックした。検察が汚職に関連する検事の捜査を行うときも、このように厳しくしていれば、検察が今回のように恥をかくことはなかっただろう。
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