北朝鮮、脱北者の「掃討」を命令(上)

 北朝鮮は昨年11月、朝鮮労働党のファン・ジャンヨプ元書記(87)の暗殺命令を下したことをきっかけとして、脱北者の「掃討」に突入したとの見方が強まっている。

 北朝鮮が金正日(キム・ジョンイル)体制に反抗的な脱北者に対する作戦を開始したのは、昨年11月ごろからとみられる。ファン・ジャンヨプ暗殺グループが指令を受け、北朝鮮を出発したのもこの時期だ。

 中央大のイ・ジョンウォン教授は「昨年11-12月に北朝鮮の二大公安機関のトップである禹東則(ウ・ドンチュク)国家安全保衛部首席副部長や朱相成(チュ・サンソン)人民保安部長が相次いで訪中しており、中国側と脱北者問題を協議した可能性がある」と述べた。また、韓国に定住した脱北者で中国に一時出国した人々のうち、今年だけで3-4人との連絡が途絶えた。北朝鮮向けラジオ放送「自由北韓放送」のキム・ソンミン代表は、「中国・丹東(中朝国境)の特派員を務めていた脱北者Aさんが2月19日に消息筋に接触しようと出掛けた後、行方不明になった。北朝鮮に拉致されたとみられる」と語った。

 また、北朝鮮の内部消息筋によると、北朝鮮当局は先月初め、「脱北者など民族反逆勢力を徹底的に膺懲(ようちょう)せよ」と各公安機関に指示した。これを受け、北朝鮮全土では脱北者など外部勢力につながる住民の割り出しや摘発が大規模に行われているという。中朝国境付近にいる脱北者家族は国境から遠い内陸部に追放され、3-4年前に外部と電話を交わしたとして摘発された住民に対する再調査も始まったという。脱北者団体の関係者は「最近、北朝鮮内部との連絡が非常に難しくなった」と語った。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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