【コラム】魚雷攻撃を否定する人は何を恐れているのか(上)
魚雷攻撃を示す物証が見つかったため、新たな珍説も
「北朝鮮が『天安』を攻撃するはずがない」という先入観や偏見、あるいは「北朝鮮が『天安』を攻撃したという事実が明るみに出てはならない」という強迫観念がなければ、そして、引き揚げられた「天安」の船体から次々と発見される証拠を直視していたならば、「魚雷の可能性が高い」という結論はとっくに出ていたはずだ。
1200トン級の哨戒艦を一瞬にして真っ二つにするだけの破壊力は、岩礁にぶつかったり、船体が老朽化することによって生じ得るものではない。生き残った「天安」の乗組員たちが口をそろえて証言する「1-2秒間隔で、『ドン』『ズドン』という、耳が裂けるほどの大きな爆発音が聞こえた」「体が浮き上がるような衝撃を受けた」といった当時の状況は、魚雷または機雷が水中で爆発する際に発生する「バブルジェット現象」が起こったことを示すものだ。匿名を条件に取材に応じた水中爆発物の専門家は、「魚雷や機雷でないとすれば、2回も衝撃音が発生し、哨戒艦を真っ二つにするような破壊力を生じさせるものは、ほかに何があるのか皆目見当がつかない」と語った。
このように単純明快な結論が出たにもかかわらず、魚雷攻撃の疑いを一掃しよう、そのために別の原因を突き止めようという、すさまじいほどの努力が、この20日ほどの間続けられてきた。魚雷の代わりに取り沙汰された原因は、「内部の爆発」「岩礁への衝突」「老朽化による破壊」の三つだった。
最初に指摘された「内部の爆発」の可能性は、船尾の引き揚げによって完全に否定された。内部の爆発が原因だとすれば、船体の上の部分は上の方に曲がり、下の部分は下の方に曲がっていなければならない。だが、船尾の切断面は、上の部分も下の部分もすべて上の方に曲がっていた。これは船体の下の方から、強い衝撃が加わったことを示す、動かざる証拠だ。
- 【コラム】魚雷攻撃を否定する人は何を恐れているのか(下) 2010/04/21 14:27:29
- 【コラム】北工作員逮捕と検察スキャンダル(下) 2010/04/22 14:00:28
- 【コラム】北工作員逮捕と検察スキャンダル(上) 2010/04/22 14:00:24
- 【社説】検察がスポンサー文化から抜け出すには 2010/04/22 13:57:11
- 【社説】北の暗殺工作員はまだいるのではないか 2010/04/22 09:00:18
- 【社説】韓中FTA、アジアの経済統合見据えた交渉を 2010/04/22 08:23:12
- 【コラム】魚雷攻撃を否定する人は何を恐れているのか(下) 2010/04/21 14:27:29
- 【コラム】魚雷攻撃を否定する人は何を恐れているのか(上) 2010/04/21 14:27:25
- 【社説】ファン氏暗殺工作員を派遣する北朝鮮 2010/04/21 09:28:47
- 【社説】「天安」沈没事件踏まえ統制権の論議を 2010/04/21 07:16:32
- 【萬物相】専業主婦への財産分与 2010/04/20 17:01:17