口蹄疫:江華島から内陸部へ感染拡大

金浦の韓牛農場で発生、忠南・保寧でも疑いあり

 今月8日から10日にかけて、江華島の農家5カ所で発生した牛・豚の伝染病である口蹄(こうてい)疫が、発生から10日たった20日、内陸部の京畿道金浦市月串面に広がった。6番目の口蹄疫が江華島を取り巻く防疫網を破って内陸に拡大し、被害が非常に懸念されている。この日、韓国西海岸の忠清南道保寧市靑蘿面にある韓牛(韓国伝統の肉牛)農家でも、口蹄疫の疑いがあるという届け出があった。

 農林水産食品部は20日、「金浦市月串面の韓牛農家から19日に提出された、口蹄疫の疑いがあるという届け出により、国立獣医科学検疫院が精密検査した結果、口蹄疫であることが確認された」と発表した。これにより、今年1月に京畿・抱川、漣川地域の韓牛・乳牛農家6カ所で発生した口蹄疫を含め、今年に入ってから今月20日までに、四つの地域の農家12カ所で口蹄疫が発生したことになる。

 金浦・月串面の農場は、今回口蹄疫が最初に発生した仁川・江華郡西源面の韓牛農家から5.3キロ離れており、警戒地域(発生地点から半径3‐10キロ)に該当する。金浦地域の口蹄疫の血清型(口蹄疫のウイルスのタイプ)は、江華で発生したのと同じO型だった。

 防疫当局は、口蹄疫にかかった金浦の農家の韓牛1頭で、免疫抗体がまだできていなかったことから、この牛が3、4日前の今月15、16日ごろ感染したものとみている。防疫当局は当初、口蹄疫の拡散を防ぐため、今月10日に処分の範囲を発病地点から半径3キロまで拡大し、江華郡内の家畜3万頭を処分した。また金浦一帯で消毒を実施したが、結局、感染を食い止めることはできなかった。

 江華島で最初に発病した農家の主人が先月、口蹄疫発生国の中国を旅行していたのとは異なり、金浦・月串面の農家の主人は最近口蹄疫危険国へ旅行したことがないという。防疫当局は、風による伝染の可能性は低いため、観光客、防疫車両、獣医などを通じて、月串面の農家に口蹄疫のウイルスが流入したとみている。

 防疫当局は、月串面の口蹄疫発生農場とその周辺500メートル以内にある牛・シカなどの家畜200頭余りについて、処分を開始した。「危険地域(発病地点から3キロ)」については、車両、家畜などの移動制限措置を行い、ソウルから金浦に入る主要道路には防疫検問所を設け、消毒を強化することにした。

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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