北朝鮮、ファン・ジャンヨプ氏に脅迫のメッセージ

「泥棒猫のようなファン・ジャンヨプのやつ、決して無事ではいられないだろう」

 北朝鮮の朝鮮労働党元書記で、韓国へ亡命したファン・ジャンヨプ氏が最近、米国や日本を訪問し、北朝鮮の体制を批判したことに対し、北朝鮮は「決して無事ではいられないだろう」という脅迫的なメッセージを発した。

 北朝鮮が運営するウェブサイト「わが民族同士」は今月5日、「生きたしかばねの腹立たしい行動」というタイトルのコメントを掲載し、ファン元書記について「醜悪な民族反逆者」「精神に異常を来した老いぼれ」などと露骨な非難を展開した。同サイトは「最もひきょうな変節と裏切りにより、“(イエス・キリストを裏切ったとされる)ユダの現代版”と非難されているファン・ジャンヨプのやつは、わが国の尊厳と体制に対し、悪質な誹謗(ひぼう)・中傷を行い、気炎を吐いた。十数年前に逃亡し、常に不安と恐怖の中で余生を送ることを余儀なくされているファンのやつが、わが国について知識があるかのように振る舞い、でたらめなことをしゃべっている。ファンのやつは泥棒猫のようにこそこそと行動しているが、決して無事ではいられないだろう」と主張した。一方、毎日新聞も今月4日、ファン元書記が亡命した直後の1997年に、金正日(キム・ジョンイル)総書記が朝鮮労働党の幹部らに対して行った秘密の演説で、「犬にも劣る」と非難した、と報じた。

 ファン元書記は2008年、李明博(イ・ミョンバク)政権が発足したことで、ようやく外国訪問が許されるようになった。先月31日に米国を訪問したファン元書記は、「北朝鮮の政権の命脈の鍵を握っているのは中国だ。中国が支援を続ける限り、北朝鮮で突発的な事態は起こらないだろう」と述べた。北朝鮮の政権が突然崩壊する可能性は低い、という見方を示したものの、北朝鮮にとって最もデリケートな問題である「突発的な事態」に言及したというわけだ。また、今月4日から訪問した日本では、「金正日は軍の幹部に頭の悪い人たちばかりを据えた。このため、金正日が死去しても、(クーデターなど)改革に向けた行動を起こすことは不可能だ」と語ったとされる。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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