ファン氏暗殺未遂:金英徹総局長が工作員に指示(上)

北の工作員二人の検挙まで

 ファン・ジャンヨプ氏(87)を暗殺する目的で韓国に入国し、20日に逮捕されたキム・ミョンホ容疑者(36)とトン・ミョングァン容疑者(36)は、1992年に人民武力部偵察局(現在の偵察総局)の戦闘員に抜てきされ、2004年から朝鮮人民軍で韓国への侵入や要人暗殺のための厳しい訓練を受けた特殊工作員だった。国情院と検察が明らかにしたところによると、二人は10代で朝鮮人民軍に入隊し、二等兵に当たる戦士から始まって、現在は少佐にまで上り詰めた。1998年には朝鮮労働党に入党し、模範党員として活動した功績が認められ、北朝鮮では労働党や共産主義社会建設に貢献した者に与えられる国旗勲章まで授与されたという。

脱北者を装い計画的に入国

 二人は韓国に侵入するため、事前に緻密(ちみつ)な計画を企てていたことも分かった。

 昨年11月、偵察総局の要員から平壌の万鏡台招待所で、「脱北者を偽装せよ」との指示を受け、中国に密入国した後、吉林省延吉にある偵察総局連絡所で、活動要領について改めて指示を受けるよう命じられた。

 万鏡台招待所を通過すると元山、咸興、清津を経て中国の吉林省三合に接する会寧に到着、その後、中国軍の目を避けて深夜に豆満江を渡った。中国では延辺朝鮮族自治州の中心都市である延吉で偵察総局連絡所の要員に接触し、携帯電話や工作資金を受け取り、身分偽造の方法や拠点の確保などについて集中的に教育を受けた。その後、偵察総局から紹介を受けた脱北ブローカーの助けを借りて、一般の脱北者らに混じりタイに入国したところ、警察に逮捕され、強制出国という形で今年1月と2月にそれぞれ仁川空港から韓国に入国した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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