24時間警護を受けるファン・ジャンヨプ氏

 ファン・ジャンヨプ元北朝鮮労働党秘書(北朝鮮民主化委員会委員長)は、1997年の韓国亡命以後、身辺の安全について脅威を受け続けてきた。ファン氏は北朝鮮のテロ対象第1号となっているため、7-8人の警護員が常に近接警護を行っている。今回、米国や日本への訪問を準備するに当たっても、、周辺の人物すら知らないほど極秘裏に準備を進め、知人にも訪問の事実を知らせず、残念がった人が多かったほどだ。ファン氏の海外訪問は、これほど徹底した保安の中で行われた。

 最近、ファン氏は日米訪問を終えて帰国した後、北朝鮮民主化委員会の幹部らとの会談の席で、日米訪問の成果について説明し、沈没した哨戒艦「天安」の関係者を助けるため、脱北者も共に立ち上がろう、と語ったことが分かった。ファン氏の知人によると、ファン氏は「北朝鮮の脅迫には言い返すだけの価値もなく、無視していたが、脱北者の力量が強化され北朝鮮内部に影響を及ぼすようになると、北朝鮮の対応も手荒なものとなり、鋭意注視している。一部の脱北者は中朝国境で北朝鮮のテロと見られる拉致の危険にさらされており、懸念される」と述べたという。

 ファン氏は、過去にも幾度か北朝鮮によるテロの脅迫を受けてきた。脱北者同志会や自由北朝鮮放送に血染めのファン氏の写真や、刃物を仕込んだ小包が送りつけられたこともあった。その度にファン氏は、「北朝鮮がいかにおかしな集団であるか分かり、そうしたテロの脅迫は無視するか、断固として立ち向かわなければならない」と主張した。

 北朝鮮による脅迫が繰り返されているにもかかわらず、ファン氏の活動は、以前と変わらず続けられている。ファン氏は最近、「脱北者が団結し、金正日(キム・ジョンイル)と対決しなければならなず、今や金正日の相手は大韓民国ではなく、脱北者集団だ」と語ったこともある。ファン氏は、韓国政府が脱北者による北朝鮮民主化活動を積極的に支援し、金総書記と逐一相手をすることは脱北者に任せるのも一つの方法だと主張した。

カン・チョルファン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る