産業銀、人民元建て債券市場に参入へ

 政府系金融機関の韓国産業銀行が、韓国で初めて人民元建て債権の発行を計画していることが20日までに分かった。

 中国では産業銀を含む外資系銀行が元建て債券の発行認可を申請しており、現在国務院(内閣に相当)での審査が行われている段階で、認可が得られ次第発行する計画だ。元建て債券の発行に成功すれば、中国での資金調達ルートが確保され、国際的金融機関としての競争力が高まり、中国での業務の活性化が図れる。元建て債券市場は世界の金融界では未開拓市場で、今後の成長が期待されている。

 業界筋によると、産業銀は6月をめどに元建て債券の発行にこぎ着けたい構えだ。発行規模はドル建て債の調達規模が通常5億-10億ドル(約470億-930億円)である点を考えると、それよりは小規模にとどまる見通し。今後、安定的に起債に成功すれば、徐々に発行規模を拡大するという。

 外資系銀行では、日本の三菱東京UFJ銀行が昨年12月に初めて人民元建て債券の発行を認可されたのに続き、英スタンダード・チャータード銀行も35億元規模の元建て債の発行を計画している。韓国の金融機関が元建て債の発行を認可された例はない。

 産業銀は中国に支店を設置しているものの、中国政府が外資系銀行の支店による人民元業務を制限しており、現地企業向けの営業で困難に直面してきた。

 元建て債の発行に成功すれば、外貨調達市場にも変化が予想される。ドル、ユーロ、円に人民元が加わり、通貨ポートフォリオが多様化するだけでなく、元資金の調達による投資銀行業務の発展も見込める。先進国の各金融機関も人民元市場には本格参入できずにいる現状からすれば、韓国の金融機関は世界的な投資銀行と同じスタートラウンに立っていることになり、投資銀行業務でも十分に競合可能とみられる。

 中国が産業銀など外資系銀行に元建て債の発行を認めるのは、銀行の過剰融資による過剰流動性を軽減できるためだ。銀行の融資リスク解消を目指す中国当局は、銀行融資を引き締め、債券市場の活性化を図ろうとしている。

 産業銀関係者は「まだ正確な発行規模は明らかにできないが、中国政府の認可が出れば、すぐに元建て債の発行手続きに取り掛かる。中国金融当局は(元建て債に対する)おれまでに厳しい発行資格を緩和しようとしており、産業銀への認可も前向きに検討している状況だ」と説明した。

ユ・ユンジョン朝鮮経済i記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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