後継者問題:毎日新聞、ジョンウン氏の写真めぐり誤報騒動

毎日新聞独自の主張

「貨幣改革もジョンウン氏が主導、混乱が起こると別の人物を粛正」

 日本の毎日新聞は20日付の紙面で、今年3月4日か5日に朝鮮中央通信と労働新聞で報道された写真の中で、金正日(キム・ジョンイル)総書記の横に立っている人物が、金総書記の後継者として有力視されている三男ジョンウン氏であることが確認されたと報じた。また同紙によると、ジョンウン氏は身長167センチ、体重87キロ、かかとの高さが5センチ以上もある靴を履いているという。この報道が事実なら、成人したジョンウン氏の写真としては初となるため、大きな関心を集めている。しかし、韓国の情報関係者は、この人物はジョンウン氏ではなく、第三の人物であるとして否定した。

 毎日新聞が報じた写真は、金総書記が金策製鉄連合企業所を視察したとして、労働新聞などが報じた写真だ。視察の日付は確認されていない。毎日新聞は、北朝鮮指導部に近い消息通や韓国情報機関関係者の話を引用し、この写真の中で金総書記の右側に立っている青年がジョンウン氏だと報じた。写真の中の人物は、赤いネクタイに白いワイシャツ、黒っぽいコートを着ている。金総書記よりはるかに背が高く、丈夫そうに見える。

 毎日新聞は、今年3月5日に平壌のある衣料関連企業をはじめ、各企業・機関に対し、「5日付の労働新聞に金大将(ジョンウン氏のこと)の姿が載っているため、よく見るように」という指示が下され、これは権力移行作業が本格化している事実を示すもの、と報じた。

 しかし、韓国の情報関係者は、「この人物は、昨年2月と12月、今年3月に金総書記が金策製鉄連合企業所を視察した際、常に写真に登場していた人物」と語った。また別の関係者も、「この人物はジョンウン氏ではなく、金策製鉄連合企業所の技師長を務めているキム・グァンナム氏とみられる。(毎日新聞の報道は)誤報だ」と語った。

 一方毎日新聞は、北朝鮮に極度の混乱をもたらしているデノミネーション(貨幣呼称単位の変更、デノミ)も、実際はジョンウン氏が主導したが、朴南基(パク・ナムギ)計画財政部長が代わりに責任を取らされ、粛正されたと報じた。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る