財産分与:専業主婦に5割認定=ソウル家裁
「育児や家事と夫の仕事を同等に見る考え方が裁判所に定着」
1990年に結婚し、夫との間に長男(20)と長女(18)をもうけたAさん(47)が最近、夫を相手取って起こした離婚・財産分与請求訴訟で、ソウル家庭裁判所はAさんの主張を認め、夫に対し慰謝料7000万ウォン(約580万円)と、夫婦の財産の半額に当たる9億ウォン(約7400万円)の支払いを命じる判決を下した。
今回の判決は、一時期、美容室のアルバイトや化粧品販売の仕事をしたことはあるものの、ほとんど専業主婦として過ごしてきた妻に対し、夫婦の財産形成への貢献度を50%認めたことになる。家裁は判決理由について、「建設会社を経営する夫とは違い、Aさんは離婚後も所得を得る活動を始めるのが容易ではないという点を考慮した」と述べた。
ソウル家裁によると、Aさんのように、専業主婦が夫を相手取って起こした離婚訴訟で、裁判所が財産分与を50%まで認めるケースが急増しているという。
同家裁は、電気工事業を営む夫と17年間の結婚生活を送り、今年2月に離婚したBさん(50)の離婚訴訟でも、財産分与の比率を50%まで認めた。また、夫の両親の世話をしながら子どもを育て、23年にして離婚したCさん(49)は、夫が両親から贈与された財産で事業を興したことを認めながらも、財産分与の比率を45%まで認めた。
離婚訴訟の当事者たちが、慰謝料だけでなく、結婚後に夫婦が築き上げた財産のうち、自分の取り分を分け与えるよう求める財産分与制度は、1990年1月の民法の改正によって導入された。だが当初は、財産分与の比率を決める根拠となる、財産形成への貢献度を評価するに当たり、専業主婦は仕事を持っている妻よりも低く評価されていた。ソウル家裁の関係者は、「10年前には、専業主婦への財産分与の比率は3分の1程度で、共働きの場合(50%)よりも少なかったが、最近の判決は夫と同程度とするものが大部分を占めている。妻による育児や家事と、夫の会社での仕事を、同等に見る考え方が裁判所に定着してきているためだと考えられる」と話した。
2008年12月から昨年2月の間、全国の裁判所で1審判決が言い渡された227件の離婚・財産分与請求訴訟のうち、妻への財産分与が40-50%まで認められた事例は、59%(135件)に達した。
チョン・ジソプ記者
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