家計負債の急増、消費低迷につながるか(下)
■03年のカード不良債権問題でも消費低迷
返済能力に見合わない借金を背負えば、消費減少につながる可能性が高い。融資を受けた当時に消費が一時的に増えても、その後は長期間かけて元利金を返済しなければならず、時間がたつほど消費は減少する。
韓国経済はクレジットカードの不良債権問題が表面化した03年ごろに同じ状況を経験している。00-02年には家計負債が毎年20-30%のペースで増加していた。クレジットカード会社による融資額が99年末の23兆4000億ウォン(現在のレートで約1兆9300億円)から02年末には84兆1000億ウォン(同約6兆9500億円)に増加した。この結果、個人の可処分所得に占める金融負債の比率は、00年の87%から02年には122%へと膨らんだ。当時韓国銀行(中央銀行)は、家計負債の一時的増加で年平均6.5%の消費増大効果が生まれたが、同時に金利負担で同3-4%の消費減少効果が生じたと分析した。
結局、クレジットカード債務がピークに達し、危険信号がともると、03年には政府が介入した。家計は負債整理段階に入り、それまで年3.5%のペースで伸びてきた民間消費は、03年にはマイナス1.2%、04年にはマイナス0.3%と減少に転じた。03-04年の経済成長が不振だったのは、主に家計負債による民間消費の落ち込みが原因だ。
■利上げ前に家計のソフトランディング必要
専門家はクレジット不良債権問題当時のような消費の冷え込みを防ぐためには、徐々にデレバレッジング(負債圧縮)を図る必要があると指摘する。特に景気回復で金利が上昇する前に、多額の借金を抱える世帯のソフトランディング(軟着陸)が必要との指摘だ。サムスン経済研究所によると、金利が1%上昇すると、家計の金利負担は1兆3000億ウォン(約1070億円)増大する。
韓国政府は当面利上げを実施しない方向に傾いている。民間の活力再生を確認するまでは利上げは困難との点で、政府と韓銀が一致しているためだ。
また、政策当局が取るべき現実的な対応としては、不動産価格の安定が最優先となる。企画財政部の関係者は「不動産価格を安定させれば、返済能力に比べ負債が多い世帯は家を売却し、負債を減らそうとするため、自然に家計負債は減少する」と指摘した。しかし、そうした戦略にもリスクが存在する。仮に不動産価格の微調整に失敗し、不動産の急落を招いた場合、民間消費を回復させられないまま、日本型の長期不況に入る可能性があるからだ。
このため、政策当局は家計負債の増加速度を緊密にチェックし、自発的な負債水準の調整が行われるよう、不動産規制に緩急をつける必要がある。
方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者(政策・消費者チーム長)
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