韓国輸出企業、アイスランド火山噴火で打撃(下)

出張も相次いで中止

 こうした中、財界の企業家らの出張もキャンセルを余儀なくされている。ポスコの鄭俊陽(チョン・ジュンヤン)会長は、オーストリア・ウィーンで17日に開催された世界鉄鋼協会(WSA)の執行委員会に出席後、現地で足止めを食い、20日に予定していたモンゴル出張を取りやめた。

 斗山の朴容晩(パク・ヨンマン)会長ら斗山グループの経営陣も、ドイツ・ミュンヘンで開催される世界最大の建機展「バウマ2010」に参加するため、19日に現地へ向かう予定だったが、これを中止した。斗山は今回の展示会で歴代最大規模の展示ブースを設けたが、経営陣不在のまま臨まなければならない状況だ。同社の関係者は、「今回の展示会では新作を発表する予定だった。最高経営責任者(CEO)に対し直々にマーケティングを行う予定だったのだが、支障は避けられない」と語った。

輸出の迂回路探しに躍起

 アイスランドの火山活動が今なお続く中、航空便による欧州向けの輸出に支障が生じる可能性は高い。そのため関連企業は、輸出の迂回路探しに躍起になっている。

 ハイニクス半導体は、配送地域に最も近い空港に製品を輸送し、空港から車で配送する迂回対策を講じている。しかし、離着陸可能な空港数が少ないため、荷積み競争が激しくなる見込みだ。サムスン電子の関係者は、「欧州にある在庫を活用しているが、事態の収拾が遅れれば問題が深刻化する恐れがある」と話した。

 幸い、テレビなどの家電製品は、欧州に工場があるため比較的被害は少ないとみられる。LG電子の場合、家電製品をポーランド工場で生産し、陸路で欧州全域に輸送しているため、今回の事態による直接的な影響は受けていない。

白剛寧(ペク・カンニョン)記者

李性勲(イ・ソンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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