民主党、暫定税率維持など18項目の予算要望
[東京 16日 ロイター] 民主党の小沢一郎幹事長は16日夕、首相官邸を訪れ鳩山由紀夫首相など政府に対し、ガソリン等の暫定税率維持など18項目にわたる来年度予算重要要点を要望した。
衆院選の民主党マニフェスト(政権公約)の一時棚上げともみられる要望内容だが、小沢幹事長は「党というより国民の要望」と述べ、2010年度予算編成への反映を要請した。
要望を受け取った後、平野博文官房長官は官邸で記者団に「予算編成に、政府として責任もって最大限努力する」と述べ、できるだけ早くどのように対応するか精査したいと語った。官房長官によると、鳩山首相は会談で「政府としてしっかり受け止めたい」と応じた。
このほか重点要望では、子ども手当てについて、初年度、子ども1人あたり月額1万3000円とする一方で所得制限を求め、その限度額は予算編成で政府・与党で調整することを要望。原油価格が安定していることから、地方の財政難を理由に暫定税率の維持を求めた。ただ、原油価格高騰時には、暫定税率の課税を停止する法的措置も検討する。
税制改正の焦点となっている環境税については「今後の検討課題」とし、タバコ税の増税については予算編成における政府・与党間調整課題として保留した。
民主党の要望事項は以下の通り。
1.重点要望
1.子ども手当て
初年度、子ども1人当たり月額1万3000円とし、地方には新たな負担増は求めない。
所得制限については、その限度額は予算編成にあたり政府与党で調整し決定する。
2.高校無償化
公立高校生の授業料を無償化し、私立高校生には年額12万円(低所得者世帯は24万円)を助成する。所得制限は設けない。
3.農業戸別補償制度の導入
戸別所得補償制度の早急な導入が必要である。実施にあたっては現在の交付金水準を下回らないようにする。
4.地方財源の充実
三位一体改革で削減された地方交付税と地方の歳出を復元充実する観点から、2010年度から所得税の税源移譲に際して削減された交付税総合額1.1兆円に見合う交付金制度を創設する必要がある。原則として自由に使える、1.1兆円を上回る規模の使い勝手のよい新たな交付金を国土交通省・農林水産省において創設する。
5.過疎法の延長
6.国と地方の協議の場の設置
7.整備新幹線の整備
各地域の要望が極めて強いことを受け止め、早期開業のため必要な予算措置を講じる。
8.高速道路の整備
2010年度において、高速道路会社による高速道路整備を推進するため、利便増進事業を抜本的に見直すとともに、いわゆる新直轄事業を取りやめ、これに見合う額を国が高速道路会社に対し支援する。
2011年度以降の新たな高速道路建設促進の枠組みとして、全国統一の料金設定、国の高速道路建設の高速道路会社への一本化をはかるとともに、地方自らが必要とする高速道路建設を行うことができるようにするための国の支援策を検討し、来年6月中に政府として成案を得る。
9.診療報酬の引き上げ
全国で発生している医療崩壊を防ぐため、地域医療を守る医療機関の診療報酬本体の引き上げが必要である。
10.介護労働者の待遇改善
11.障害者自立支援法廃止
12.肝炎対策の予算確保
13.ガソリンなどの暫定税率
現在石油価格は安定しているので、ガソリンなどの暫定税率は現在の租税水準を維持する。ただし、2008年度上半期のような原油価格の異常高騰時には、国民生活を守るために暫定税率の課税を停止することができるような法的措置を講じる。
自動車重量税については、暫定分の国分について、環境のことも考えながら半分程度の減税を行うべきである。
14.高速道路の無料化
割引率の順次拡大や統一料金制度の導入など社会実験を実施し、影響を確認しながら段階的に進める。
15.国直轄事業の抜本的見直しと地方負担金の廃止
16.租税特別措置の見直し
17.土地改良予算の縮減
18.環境税
今後の検討課題とする。
2.予算編成において政府・与党の調整を要する課題
1)「協会けんぽ」の財政、2)A重油の免税措置、3)オーナー課税、4)バス・トラックへの助成金、5)タバコ税の増税
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