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日本ではとくに、名作「フランダースの犬」の舞台の街としても有名な、ベルギーのアントワープ。ベルギー北部フランダース地方に位置するアントワープ州の州都で、国内2番目の大きな都市です。
さて、このアントワープ市庁舎前のマルクト広場にある男性像は、なんと手を投げています!男性像の名前は、「Brabo(ブラボー)」。古代ローマ人兵士の名前です。像になっていることからもわかるとおり、彼はこの街のヒーローなんです。その昔、シュヘルド川に巨人が住み、上下する船から通行料を巻き上げてみんなを困らせていました。フランドルに来ていたブラボーがその巨人を倒し、巨人の手「ant」を切り取って、川へ投げこんだ「werpen」という伝説があり、これが街の名前であるアントワープ(antwerpen)の由来となった、という説もあります。この巨人伝説は15世紀頃の作り話ですが、昔の人々は本当に信じていたようです。
正面には、手を広げたポーズのニンフ(水の精)の像があります。ニンフは「自由と友情」を表し、船は、この街に繁栄をもたらした水運を意味します。その上にあるお城の像は、13世紀初頭に築かれた市壁の一部、ステーン城です。ちなみに、実際のステーン城の入り口には巨人の像があります。そんなわけでアントワープ市の紋章は、「二本の手とステーン城」がデザインモチーフなのです。
もう一つ、アントワープに来たら是非行ってほしい場所に、アントワープ中央駅があります。首都ブリュッセルから急行列車で40分。1895年から10年間かけて建てられたアントワープ中央駅は、長い間外国の支配下にあったベルギーが、国王レオポルド二世の時代にアフリカ大陸での植民地経営に乗り出し、新興の経済大国として動き始めたことを象徴する「記念碑」でもあったそうです。ネオ・バロック様式の重厚な建築で「鉄道の大聖堂」とも呼ばれ、現在は国の重要文化財に指定されています。アールヌーボーの装飾の構内には、なんと高さ60mのドームがあります。歴史的建築物と、モダンなエレベータやサインなどのコラボレーションに、まるでオペラ座のロビーにでもいるような気分になりますよ。

●ベルギー王国  
写真・文/きらきらふくろう 特派員  
http://ameblo.jp/p-chan-k/  



アントワープの英雄ブラボーの像(左2点)と、アントワープ中央駅(右)





バリ人の成人式「ポトン・ギギ」をご紹介します。ポトンとはインドネシア語で「切り落とす」の意味で、ギギは「歯」。直訳すればこの儀式、「歯を切り落とす」となってしまいます。そんなことをしたら痛い!怖い!!……いえいえ、ご心配なく。この儀式では、上の前歯6本をヤスリで擦って平らにするだけで、歯の治療のようにガリゴリ削るわけではありません。動物のキバのように尖った歯を平らにし、獣から初めて人間になるという意味合いをもつ成人式なのです。
儀式は、バリ人同士の助け合いで準備されます。「ポトン・ギギ」があると近所の人々は手伝いに大忙しです。また、朝から晩まで連日続く儀式なので、お供え物やお客様のもてなしに大変な費用がかかります。そのため、同じ年頃の子を持つ親戚たちがまとまって「ポトン・ギギ」を行うことがほとんどです。
しかし、この「ポトン・ギギ」、写真から緊張が伝わってきませんか……。


●インドネシア共和国・バリ  
写真・文/Sui 特派員  
The 日記」  
http://blog.goo.ne.jp/kamokamo31/arcv  

大人になるのも大変です……





マクドナルドなどと並んで、今モスクワで人気のお店があります。それが、ロシアオリジナルのファストフード店、KAPTO ШKA(カルトーシュカ)。カルトーシュカとは、ロシア語でジャガイモのこと。お店の名前の通りの食べ物が出てきますが、ロシア人はこれが大好き!やっぱり主食がジャガイモだからでしょうか?大きいジャガイモ(多分2個分くらい)をパックに広げ、その上に好みのトッピングをのせて食べます。トッピングの種類も豊富で、ソーセージ、ベーコン、キノコ、魚などがあります。写真は、ソーセージ&マスタードとベーコン&ローストオニオンの2種類。ジャガイモの中身自体にチーズが混ぜられているので、トッピングなしで食べても美味しいですよ!結構な量があるので、食べる前にお腹を空かせておかないと半分くらいでギブアップしてしまいます…。モスクワのあちこちにあるので行きやすいし、お値段も手頃。ロシアにお越しの際には、ぜひ行ってみてください。


●ロシア  
写真・文/Mumunchik 特派員  
http://ameblo.jp/shiromi-chan/  


モスクワで話題のお店「KAPTO ШKA」

ジャガイモ好きなロシア人に大人気!






去年のちょうど今頃、英国人である夫の実家に遊びに行ったときのこと。駅まで迎えに来てくれたわが義父が、「寒いといけないと思ってな、昨日のうちにたっぷりとシーコを用意しておいたぞ!」……シーコ?発音から察するに、綴りは『SEACO』みたいな……。「シーコってなんのこと?何かのブランドネームとか?」と夫に聞いてみましたが、「シーコはシーコですよ」との答え。「シーコ?……う〜ん、聞いたことがないけど、一体なんのことなの?」それに対しての、夫の答えは、「シー、とコー、でシーコです」……全くわかりません。というわけで、実物を見せてもらいました。
写真の真っ黒い砂のようなものがシーコです。正しくはシー・コール(Sea Coal)、直訳すれば『海の石炭』。優しい義父が、シーコを初めてみる私に説明してくれました。「わが義理の娘よ、君も知っている通り、北イングランドには良質の炭鉱がいくつも存在する。こうした地域では嵐の後に海に行くと、このように細かな炭が岸辺に漂着していることがあるんだよ。君が来ると聞いていたから、昨日のうちに海まで行って集めておいたのだ」シーコが何なのかはわかったけれど、使い方がわかりません。これをどうするのかを聞いたところ、当然のように、「もちろん暖炉にくべて燃やすのだよ!」と言います。さて、どうやって……?無知な私のために、夫が実演してくれました。
まずシー・コールを乾いた新聞紙の上にのせ、包みます。そしてそれを、火に投入すれば完了です。なるほど、しっかり燃えました。「通常の石炭に比べてシー・コールが格段に優れている点は、タダだというところです」と語る夫。しかし、タダより高いものはないと言います。「海岸から勝手に持ってきて本当に誰も怒らないの?知らないうちに誰かの所有権を侵害したりしていないの?」と聞いてみましたが、「君のそういう考え方って都会的でとても変わっていますね、海は誰のものでもないじゃないですか」と、のんびりした答えが返ってきました。まあ、それはそうなんですけど……。
私も東京時代、海に行ったら貝殻の一つくらいは自由に拾っていたような気もするし。大丈夫なのでしょう、多分。北イングランドの沿岸部を嵐の後に旅行する予定の皆様、波打ち際に黒く輝く砕片をみかけたら、それはきっとシー・コールです。

●英国・スコットランド 
写真・文/Norizo 特派員 
http://ameblo.jp/scotland/ 


まず、シー・コールを乾いた新聞紙にくるみます

これがシーコならぬ、シー・コールです

新聞紙にくるんだシー・コールを薪のように火にくべれば完成!


 
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