毒ギョーザ、ジクロルボスは別事件か…日中会議

　千葉と兵庫の３家族１０人が２００７年１２月末〜０８年１月に中国製冷凍ギョーザを食べて中毒になった事件で、警察庁と中国公安省との２日間にわたる情報交換会議が２２日、終了し、同庁はその結果を公表した。

　中国側は、製造元「天洋食品」（中国河北省）の元臨時従業員・呂月庭容疑者（３５）を逮捕した経緯や、呂容疑者が有機リン系殺虫剤メタミドホスを混入した状況を説明した。

　しかし、福島県内で販売された天洋食品製の冷凍ギョーザから０８年２月、有機リン系殺虫剤ジクロルボスが検出された事件については「呂容疑者の犯行とは認められない」とする見解を示したという。

　同庁は中国側から受けた説明の詳細は「捜査中」を理由に明かさなかったが、会議に出席した刑事局幹部は「緻密(ちみつ)に捜査を進めている印象で、説明も合理的だった」と話した。ジクロルボスが検出された事件については、日中の捜査当局が引き続き捜査を続けるとしている。

　中国側は０８年６月に河北省で起きたギョーザ中毒事件のほか、日本の事件についても、呂容疑者を危険物質投入罪で起訴する方向で捜査を進め、日本側には被害状況などに関する捜査協力を求めたという。一方、日本側は近く、中国に捜査幹部を派遣する。