メジャー３００勝　ランディ・ジョンソンに楽天カンカン

●三木谷会長肝いりの初の東京ドーム開催はどっちらけ

「正直、あの人にはやられましたよ。せっかく彼の始球式で、球団初の東京ドーム主催試合を盛り上げようと思っていたのに、そのインパクトが半減しましたからね」

　楽天の関係者が浮かない表情でこう言った。「あの人」とは、昨年限りで現役を引退したメジャー通算３０３勝を誇る剛腕左腕ランディ・ジョンソン（４６）。この日（２０日）、球団初の東京ドーム主催試合の目玉として、球団が招いていたスペシャルゲストである。

　前出の関係者がこう続ける。

「もともとランディは、この日の試合前に『日本初の始球式』を行うはずだったのです。そのため、球団は４月５日の段階から今回のイベントを大々的に告知し、スポーツ紙にも『ランディ・ジョンソンが始球式！』と大きな記事を書いてもらったりした。ところが、です。今月１７日の西武―日本ハム戦の試合前にあろうことか、そのランディが西武ドームで『セレモニアルピッチ』と称した事実上の『始球式』をやった。ランディ側から事前の連絡はなし。一報を聞き、うちの球団幹部は激怒。面目丸つぶれですから当然です」

　そもそも、ランディ・ジョンソンが１７日に西武ドームを訪問したのは、以前から親交のある同じ年の工藤との対談が目的だった。しかし、「せっかく来たのだから、試合前のセレモニーに一役買ってもらっては」と関係者が水を向け、マウンドに立つことになった。西武も西武だと、楽天関係者の怒りの矛先は西武にも向けられている。

　ある広告代理店関係者によれば、ランディの始球式のギャラは「１００万円前後だと思う」。「対談やイベントなどの出演料を加えれば、今回の来日で１０００万円ぐらいは稼ぐのではないですかね」という。楽天の怒りとは対照的に、この元大物メジャー左腕だけはホクホクというわけだ。

　チーム初の東京ドームでの主催試合とあって、楽天の力の入れようはハンパじゃなかった。楽天本社の三木谷会長もドームを訪れ、スタンドには石田純一・東尾理子夫妻や貴乃花親方など多数のタレント、有名人も招待された。観衆はなんと４万４２１人と大盛況。懸命に体裁を整えたものの、後味が悪いと楽天はカンカン。せめてもの救いは、この日、好調ロッテに８―２で快勝したことぐらいか。

（日刊ゲンダイ2010年4月21日掲載）