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サマランチIOC前会長が死去

 五輪の商業化とプロ選手への門戸開放を推進した国際オリンピック委員会(IOC)のフアン・アントニオ・サマランチ前会長が21日午後1時25分(日本時間同日午後8時25分)、スペイン・バルセロナの病院で死去した。89歳だった。死因は心臓、呼吸機能不全。サマランチ前会長は18日に入院、集中治療室(ICU)に入っていた。

 バルセロナ出身。1966年にIOC委員となり、スペインの駐ソ連大使だった80年に第7代IOC会長に就任した。21年間、会長を務め、2001年7月に退任して終身名誉会長となった。

 五輪にスポンサー制度を定着させるとともに、テレビ放送権料の高騰によって巨額の資金を獲得し、IOCの財政基盤を確立した。五輪を「最高の選手による最高の競技会」にする目標を掲げ、バスケットボールやアイスホッケーなどでプロ選手出場の道を開いた。

 ただ、IOC委員の定年を延長し、自らの会長任期を延ばすなど強引な組織運営には批判もあった。02年ソルトレークシティー冬季五輪招致で、複数のIOC委員が過剰な接待を受けたことが発覚。五輪史上に残るスキャンダルとして責任を追及され、米議会の公聴会にも呼ばれた。

 ジャック・ロゲIOC会長は「五輪ファミリーの大きな悲しみを表す言葉は見つからない」とコメントした。

(2010年4月21日)





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