哨戒艦沈没:「北の人間魚雷に注意せよ」(上)
軍情報司令部、「北の報復」に備えるよう指針伝達
海中で自爆、東海・西海に各1個旅団配置
韓国軍情報司令部は今年初め、「北朝鮮が報復攻撃を決意しており、人間魚雷で攻撃してくる可能性があるため備える必要がある」という趣旨の指針を海軍に伝達していたことが、21日分かった。人間魚雷は、魚雷にモーターなど別の推進機を搭載し、特攻隊員が直接操縦して目標物に接近、自爆するか別途の推進機に機雷などを搭載して目標物を爆破させるものだ。
政府関係者は「昨年11月の大青海戦で敗北した北朝鮮が韓国海軍に対する報復を実際に準備しているとの状況を、軍当局が何回か捕捉していたのは事実だ。北朝鮮は攻撃手段の中で特に、人間魚雷部隊を集中的に訓練してきたようだ」と語った。
この関係者によると、北朝鮮の報復攻撃に備え、西海岸の最前線を警戒する海軍軍艦は最低12ノット以上の速力を維持するよう決定したが、「天安」は沈没当時、6ノットの低速力で移動していたという。また、合同参謀本部が北朝鮮軍の報復攻撃の可能性にもかかわらず、ペンニョン島、延坪島、小青島などの西海岸最前線を警戒する軍艦をむしろ以前より前進配置させていた状況もあったという。これを受けて国軍機務司令部は、「天安」沈没後の合同参謀本部の初動態勢だけでなく、「天安」沈没以前の合同参謀本部と海軍の準備態勢に問題がなかったか、また北朝鮮が報復を決意するきっかけとなった大青海戦に問題点がなかったかなどについても、詳しく調査していることが分かった。
人間魚雷は第2次大戦末期の日本の海中特攻兵器「回天」に由来する。北朝鮮の人間魚雷部隊は海上狙撃旅団所属で、第17狙撃部隊と呼ばれており、東海(日本海)・西海(黄海)にそれぞれ1個旅団ずつ配置されているという。脱北者によると、韓国海軍のUDT/SEALのように最精鋭要員で構成されており、経済難で飢えに苦しんだときも、最高の待遇を受けたとのことだ。脱北者で詩人のチャン・ジンソンさんは最近ブログに掲載した文章で、「北朝鮮の人間魚雷部隊は潜水艦乗組員より優遇されており、すべての訓練教本が自爆中心に書かれている」と述べた。北朝鮮は2003年のイラク戦争時、金正日(キム・ジョンイル)総書記が「自爆する軍隊に勝てる部隊はない」と話した後、自殺特攻隊を本格的に養成したといわれている。
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