勝場啓二被告
鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐる偽装献金事件で、総額約4億100万円の政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた元公設第1秘書・勝場啓二被告(59)に対し、東京地裁(平木正洋裁判長)は22日、禁固2年執行猶予3年(求刑禁固2年)の判決を言い渡した。
起訴状によると、勝場元秘書は2004〜08年分の同懇話会の収支報告書の収入計約3億5900万円分について虚偽の内容を記載したとされる。内訳は(1)故人ら延べ270人の名義を無断で寄付者とした約3千万円(2)5万円以下の匿名の小口献金のうち、献金実態がない約1億7600万円(3)政治資金パーティー券収入のうち、購入実態がない約1億5300万円。
勝場元秘書は関連政治団体「北海道友愛政経懇話会」の05〜08年分の収支報告書についても約4200万円分を偽装。首相の実母と姉からの献金1200万円を記載せず、パーティー券収入も約3千万円分を水増し記載したとされる。
先月29日の初公判で勝場元秘書は起訴内容を認め、審理は即日で終結した。論告で検察側は「首相の実母らの資金を第三者からの個人寄付などと偽装して出どころを隠蔽(いんぺい)し、国民の監視から覆い隠した。刑事責任は重い」と指摘。これに対し、弁護側は「寄付者と政治家の癒着や政治腐敗の危険性はまったくない行為で、悪質性は強くない」として執行猶予付きか、罰金刑の判決を求めた。