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【白老】韓国人向け案内役に朴さん アイヌ民族博物館

(2010年 4/21)

アイヌ民族博物館での勤務に意欲を見せる朴さん

 白老町のアイヌ民族博物館特別研究員に、韓国人の朴炳宰(パク・ビョンゼ)さん(38)が赴任した。韓国から訪れる観光客へのアイヌ文化の解説などさまざまな役割が期待されている。朴さんは「アイヌ文化を学びながら、自分の経験や知識も生かしたい」と意気込んでいる。

 韓国北東部の江原道(カンウォンド)出身。1998年に鹿児島大学へ入学し、2003年に農学博士号を取得。06年に北見工大の研究員となり、主に北海道の野草をテーマに学んできた。白老町とのかかわりは、1年半ほど前からは北見工大の山岸喬教授と共に、町などが進める「食材王国しらおい」事業に参加したことから。アイヌ民族の有用植物を使った薬膳(やくぜん)料理の開発にも携わっている。

 博物館を訪れる外国人の中で最も多いのが韓国人。09年度も外国人の入館約6万6000人のうち、半数以上の約3万5000人を占めている。このため、韓国人対応と、おもてなしに―と、日本語が堪能な朴さんに白羽の矢を立てた。

 着任から3週間。これまでアイヌ文化を学んだことがないので、職員から基礎知識を学び、並行して展示物のハングル文字解説に誤りはないか確認したり、職員に簡単な韓国語を教えるなど忙しい毎日だ。「ガマでござを編む風習はアイヌ民族も韓国人も同じ。お互いの文化の共通点や違いを毎日学べるのは、とても新鮮で刺激的です」と朴さん。「まちの方々と博物館の触れ合いを生む仕事もしたい」と、今後は町民に韓国語や野草についての勉強会を開こうと意欲を見せている。特別研究員の任期は1年。