──アンジェラさんのギターの弾き語り曲って、これまでなかったような？
【アンジェラ】 メジャーデビューしてからは初めてですけど、実はギターで作っていた曲もかなり多いんです。これまでは、ピアノで作った曲を中心に発表していたんですけど、この曲はギターで作ったので、その雰囲気をそのまま表現したいと思って、ギターの弾き語りにしました。また今年でデビュー5周年ですし、再出発という意味をこめて、これまでやらなかったことにも挑戦したいと思いました。
──実際、今回ギターでレコーディングしてみてどうでしたか？
【アンジェラ】 何だか懐かしい気分になりましたね。また、完成したものを聴いてみて、ギターだからこそ表現できたメロディーがあることに気付きました。
──なるほど。
【アンジェラ】 また、この曲では幾つかギターを重ねて録音したんですけど、これをすべて自分で演奏したんですね。プロのギタリストの方にお願いすれば、もっと整った音色が表現できるんでしょうけど、それだと胡散臭い感じに響いてしまうのかなって。不器用でも、自分の手で弾いたもののほうが、より聴く人の心に響くような気がして。結果、私のこの曲に対する思いが伝わる仕上がりになったと思います。
──そんな「輝く人」は、どういうきっかけで生まれたのでしょう？
【アンジェラ】 シングル「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」を発表してから、いろんな学校に行かせていただき、いろんな15才のみんなに出会ったんです。そのなかで私が印象的だったのが、隅のほうで大人しくしているんですけど、心の奥に何か強いものを持っているような子だった。その眼差しにグッときたというか、学生時代の自分と重なって、完成したのがこの曲なんです。
──ちょうどシングルが発表される時期って、新生活が始まり不安や迷いを感じている人が多い頃。この曲は、そういう人に希望を与える、力強い仕上がりになっている気が。
【アンジェラ】 「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」で何かを感じてくれた人に、聴いてほしくて作った曲なんです。あの曲では、自分を信じてというメッセージを込めていましたが、今回はより具体的に“人間には誰しも可能性という輝きを持っている”ということを伝えたつもり。この曲をきっかけに、みなさんのなかに潜む可能性に出会ってほしいですね。
──アンジェラさん自身もこの曲を作ったことで、新しい輝きを手に入れられましたか？
【アンジェラ】 今までは文字通りピアノと向き合って曲を作ってきたんですけど、ギターは外に向かって音を発信すると言う感じがしていて。これからは異なる方向から、音楽を発信できるんじゃないのかなって。
──より未来に向かったメッセージを発信する感じですか？
【アンジェラ】 ただ闇雲に希望や未来を歌うのって、薄っぺらい感じがします。自分のなかで言葉の意味を深く噛み締めて、納得した言葉や音楽をみなさんに伝えられたら。
──8月には、地元・徳島での弾き語りライブが決定。これも楽しみです。
【アンジェラ】 今まで武道館や大阪城ホールで開催していた“MY KEYS”というピアノ弾き語りライブを、デビュー5周年の節目の年にふるさと徳島でやりたいと思って。題して『阿波のMY KEYS』。ちょうど阿波踊りの後に開催されるんです。だからお祭りの延長みたいな感じで、盛り上げたいと思っています！
（文：松永尚久）
1977年9月生まれ。父は日本人、母はイタリア系アメリカ人。
3才からピアノを始め、中学校までを徳島県と岡山県で過ごす。
15才の時ハワイに移住し、その後ワシントンD.C.の大学に通う。
2003年日本に帰国し、2005年3月ミニアルバム『ONE』をインディーズよりリリース。
2005年9月14日、シングル「HOME」でメジャーデビュー。
2006年1月18日、シングル「心の戦士」をリリース。ノンタイアップながらスマッシュヒット。
2006年6月14日、1stアルバム『Home』をリリース。初登場2位を獲得し、ロングセラーとなる。
2006年12月26日、日本武道館史上初となるひとりのアーティストによるピアノ弾き語りライブを行う。
2007年3月21日、DVD『アンジェラ・アキ MY KEYS 2006 in 武道館』をリリース。
2007年9月19日、アルバム『TODAY』をリリース。
2009年2月25日、アルバム『ANSWER』をリリース。
2009年9月16日、シングル「愛の季節」とDVD『ピアノ弾き語りライブ 浪花のMY KEYS 2008 in 大阪城ホール ＆ MY KEYS 2008 in 武道館』をリリース。
2010年4月14日、シングル「輝く人」をリリース。
