【ニューヨーク=小高航】昨年法的整理を経験した米自動車大手2社の経営再建が進展してきた。ゼネラル・モーターズ(GM)は米国とカナダの両政府からの融資の残額計58億ドル(約5400億円)を21日までに前倒しで返済、公的資金の1割強の返済を終えた。今後はGM株に転換されている政府出資分の返済へ、株式公開(IPO)が大きな課題となる。一方、クライスラーは2010年1~3月期の営業損益で黒字転換を果たした。
GMのエドワード・ウィッテーカー会長兼最高経営責任者(CEO)は21日、カンザス州のGM工場で会見し、公的資金のうち融資分について返済期限を5年前倒しで完済したと発表した。
GMは昨年6月の法的整理に伴い、米政府から約500億ドル、カナダ政府から約95億ドルの公的支援を受けた。このうち融資部分は計約80億ドル。すでに一部を返済、残りも6月までに返済を終えるとしていた。今回米政府に47億ドル、カナダ政府に11億ドルを返済した。
ウィッテーカー会長は会見で「融資の前倒し返済は再建プランが機能している証しだ」と強調。過去9カ月間に米国とカナダの20工場に15億ドルの設備投資を実施したことや、主力中型車「シボレー・マリブ」の次期モデルの生産へ向けカンザス工場などに2億5700万ドルを投資する計画も表明した。
「新生GM」は法的整理を経て財務内容は改善したものの、初年度(昨年7~12月)決算で43億ドルの最終赤字を計上するなど、経営再建は途上だ。ただ、米国の販売シェアは好転し始めたほか、中国事業も好調。「前倒し返済」で復活を印象付けることで、経営再建に弾みをつけたい考えだ。
残りの公的資金の大半は政府の保有株になっており、返済にはIPOが必要になる。米政府はGM株の約60%、カナダ政府は約12%を保有する。GMのクリス・リデル最高財務責任者(CFO)は「10年通年での黒字化は可能」と強調。単年度黒字化にめどがついた段階で、IPOの準備を本格化する見通しだ。ウィッテーカー会長は21日、GMが当初計画していた年内の再上場について「まだ不透明だが可能性はある」と述べた。
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