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【ドラニュース】


オレたちは負けない、竜の心臓

2010年4月22日 紙面から

2番手で登板の清水昭(上)、3番手の浅尾=ナゴヤドームで

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 サヨナラ勝利を逃したのは悔しい。だが、中日に必勝パターンが戻ってきた。21日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)。先発の小笠原の後、5人の救援陣が6イニングをピシャリ抑えてドローに。それでもチームは2位浮上。苦しい時期、耐えて勝ってくれ。

 サヨナラのホームは遠かった。でも、頼れる男たちがよみがえってきた。一時は“勤続疲労”を起こしていた竜リリーフ陣が、本領発揮だ。

 先発・小笠原の後を7回から受けた清水昭、浅尾、岩瀬、高橋、平井の5人が、ツバメ打線のスコアボードに、最終12回まで6イニングをすべて「0」で埋め尽くす。それも打者21人を2安打に抑える無失点リレーで。

 以心伝心だった。3番手の浅尾は最速153キロの直球と変化球で8、9回の2イニングを1安打3奪三振に抑えて、リーグトップ独走の11ホールドポイント。「勝ちたかったですけどゼロに抑えられて良かったです」。登板は多いが、トレーナーに毎日入念なケアを図ってもらい「そんなことは言ってられません」と自覚は十分。

4番手で登板の岩瀬=ナゴヤドームで

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 10回に登板した4番手・岩瀬も走者を三塁まで進められながら踏ん張った。「三塁ランナーをかえさないことだけを考えた。1点もやれないところで使われているからね」とプライドを示す。

 最終12回を託されたのは、この日35歳の誕生日を迎えた平井だった。「あそこで打たれたら、中継ぎがつないできたことが、フイになってしまう」と、思いを球に込めて3者凡退で切り、敗戦の可能性を消した。「(誕生日登板は)いい思い出がないんだけどね…」と言いつつも、笑顔がのぞく。

 中継ぎ陣が崩れ、今季初の同一カード3連敗を喫した18日の広島戦(マツダ)から一夜明けた、19日の練習日のこと。先発陣しか顔を出さないナゴヤドームの練習に、ベテラン平井をはじめとした中継ぎ全員が自主的に顔を見せた。走り込みをした浅尾や高橋など、それぞれが抱える課題に取り組み、ネジを締め直した。

5番手で登板の高橋(上)、6番手の平井=ナゴヤドームで

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 試合後、投手陣を預かる森ヘッドコーチは「本拠地だから負けなかった。神宮だったら負けていたよ」と言った。本拠地なら好投手を先につぎこみ、まずゼロに抑えてサヨナラを待つ。延長戦はこの積み重ね。地の利を生かせなかった口惜しさがにじむ。4時間8分の死闘。白星まで、もう1本が遠かったのは悔しい。それでも、リリーフ陣の復調は大きな収穫だった。 

 (中谷秀樹)

 

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