記事入力 : 2010/04/19 17:00:12
【コラム】国際結婚に見る「真の国際化」とは(上)
ある女性が発した英語と韓国語交じりのあいさつには、喜びがあふれていた。13日、米国中部・カンザス州のある都市での出来事だ。食堂で偶然出くわした韓国の取材陣に対し、夢にまで見た故郷を懐かしがるかのように女性二人は甲高い声を上げ、店内の客の目を引いた。
京畿道出身のAさん(60)と、江原道出身のBさん(52)。人口4万人余りのこの都市に、韓国人はわずか30人ほどで、そのうち韓国人教会で会うのは10人にも満たないという。二人は駐韓米軍の兵士と結婚し、夫と共に渡米、「軍事都市」ともいえる広漠としたこの地で30年以上も暮らしてきた。韓国人同胞ではない、韓国からの出張者や旅行客に遭遇したのは初めてだという。
「寝食すべて面倒をみましょう」としつこいほどに夕食に招待するAさんに、「このまま別れたら韓国人じゃない」とBさんも加勢した。二人は姉妹のように互いを頼り、寂しさを紛らわせせながら暮らしてきたという。その日のスケジュールを終えてAさん宅を訪ねると、AさんはBさんが買ってきた材料で夕食を作り終えていた。「ひょっとして、何か狙いがあるのでは」と内心疑っていた自分が恥ずかしかった。
Aさんは、浅漬けキムチを出しながら、「韓国の食品店で粉にしてもらった唐辛子を使い、こだわって漬ける」と話し、Bさんは、わたしたち一行を熱烈に歓迎した理由について、「韓国で言えば、ここはへき地の山里だから」と説明した。見ず知らずの男4人を、韓国人という理由だけで家に招待するとは、韓国語や韓国人への思いがどれほど深かったのだろう。そして、会話が進むにつれ、さらに切ない気持ちになった。衛星放送やインターネットで、二人は韓国のニュースを絶えずチェックしているという。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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