記事入力 : 2010/04/19 17:00:40
【コラム】国際結婚に見る「真の国際化」とは(下)
そして、韓国で暮らす親せきの話になった。Aさんは「6人の兄弟姉妹とはほぼ絶縁状態」、Bさんは「嫁ぐ際に、“町の恥さらし”と言われ、両親はいないものと思うことにした」と話した。Aさんは、渡米後30年間に1度だけ母親が米国に来たが、「胡虜(異民族をののしっていう語)の国には二度と来ない」とそれっきり疎遠になり、Bさんは「家族、友人との連絡はすべて途絶えた」という。
続いて話は、フィリピンやベトナム、中国から結婚のために韓国に移住する女性の話題になった。「彼女たちの話を聞いて、自分や自分の子どものことを考えた。1970年代当時、農村で議論されるべきだった」。歳月が流れ、少しは心にゆとりが生まれたのだろうが、Aさんの言葉は涙混じりになった。二人は韓国を再び訪れたいという気持ちもあり、暮らしぶりも豊かだが、「異国でそうだったように、自分の故郷でも再び部外者になるかと思うと怖い」(Aさん)、「好きな故郷の食べ物をおなかいっぱい食べたいが、会いたい人はいない」(Bさん)と話した。そして乾く間もなかったであろう彼女たちの涙が、再びあふれ出した。
昨年、韓国での国際結婚は結婚件数全体の10.8%で、ピークだった05年は13.5%に達していた。だが、偏見の度合いは改善されたのだろうか。国際結婚を理由に精神的な隔たりと空間的な隔たりに苦しみ、国の内外で望郷の思いを馳せて多くの涙を流す女性たち。このような状況が作り出されたのは一体誰の責任なのだろうか。そう考えると、インターネット大国として、自分たちが国境なき社会をリードしてきた、と自負することがどれほど空しいことだろうか。
朴瑛錫(パク・ヨンソク)社会部次長待遇
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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