業界が揺れた1日

October
30
2008

 九十九電機が民事再生法の適用を申請した。自作業界、PC業界はただでさえ疲弊の極に位置するのに、大輪を失った思いです。どうか民事再生法が適用となり、再生プロセスへと駒を進めて欲しいと願うばかりです。

 

 同社は自作業界の黎明期をWiNDyとともに歩んだ数少ない企業であります。当時の思い出は本当にたくさんあるし、僕もここ数年は苦労の連続だったけれど、そんな僕のことを理解してくれた数少ない関係者の一人が鈴木社長でした。社長は僕と同窓で先輩にあたります。春になり酒を酌み交わしながら社長の苦労の片鱗を垣間見ることもありました。が、終始社長は「頑張れ」と言ってくれたことは生涯忘れません。

 

 しかし、星野アイエヌジーへのブランド移管プロセスで、生じた現場サイドとの誤解は解決することができないまま、今日まで来てしまいました。ビジネスというものは、お互いの信頼関係が基本になる。相互にプロフィットが出ることが最も重要なのです。その上で関係を少しずつ拡大してゆければ相互にメリットは大きくなるものだろうと考えています。そのプロセスの中で口論や激論が交わされることは一向にかまいません。ブランド移管に関する話し合いの中で、星野アイエヌジーの営業部員が同社の現場サイドから浴びせられた「WiNDyなんか、地に堕ちたブランドなんだよ!」という罵声は、いまの星野アイエヌジーの復活の原動力になっています。

 

 業界のトップを走れば、いつしか傲慢になる。僕にも身に覚えのあることです。鈴木社長はそのことをよく理解し常々戒めていらっしゃいました。相反して、一部の現場でそのような風潮になってしまったことは非常に残念でした。僕に力があれば、差し出がましくもそういうアドバイスが出来たのだろうと思うと悔しさもあります。いま、僕の全身全霊を傾けて、星野アイエヌジーとWiNDyブランドの新たな方向性を模索しています。目指すところは新しい価値観の創設。弊社も業界も変わらないと、新しい時代へ向かうことなどできません。

 

 何名の方にこのブログを読んでいただけるのか分かりませんが、僕自身は鈴木社長の今後の復活を期待していますし、微力ではありますがご協力したいと思っています。今後、真剣に自作業界の将来を考えねばならない時だと思います。くれぐれもネット上の風説に惑わされないようお願いします。

 

 口だけでなく、ブログだけでなく、僕自身本当に業界に恩返しするならば、憎まれ役を買って出ようと思っています。業界にはびこる不正表示電源やパーツの数々、ネットを通じた風説の流布、そして匿名の誹謗や中傷。フォアビジネスというなら正々堂々と競い合う姿勢を持つ。もうくだらない低レベルの議論はたくさん!ネガティブな部分を堂々と指摘してゆきます。来年には50歳を迎える大人として堂々と発言してゆきたいと思います。

 

 

Posted by 有海啓介 | この記事のURL |