今月、沖縄本島と宮古島の間の公海上を通過した中国海軍の艦隊の艦載ヘリコプターが、21日午後、この艦隊の監視のため太平洋上を航行中の海上自衛隊の護衛艦に接近しました。防衛省は「危険な行為だ」として、外交ルートを通じ中国側に抗議しました。
中国海軍の艦隊は潜水艦や駆逐艦など10隻からなり、今月10日、沖縄本島と宮古島の間の公海上を通過し、その後、太平洋上で訓練を続けています。防衛省によりますと、21日午後3時半すぎ、沖縄本島の南およそ500キロの太平洋上で、この艦隊の艦載ヘリコプターが、艦隊の動向を監視するため付近を航行していた海上自衛隊の護衛艦「あさゆき」に接近しました。ヘリコプターは、50メートルほどの高さで飛行しながら90メートルの距離まで近づき、「あさゆき」の周囲を2周したということです。この艦隊は、今月8日にも東シナ海で艦載ヘリコプターを護衛艦の間近まで接近させており、防衛省は「安全航行に支障を来す危険な行為だ」として、外交ルートを通じて21日に中国側に抗議しました。中国海軍をめぐっては、先月から今月にかけて日本周辺から東南アジアの広い海域で大規模な訓練を実施するなど活動を活発化させており、防衛省は、その能力や意図について分析を続けています。