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【台風9号】災害1週間の佐用町 いぜん2人行方不明…避難所に100人 (2/2ページ)

2009.8.16 07:40
佐用川に入り行方不明者の捜索をする警察のダイバーたち=15日午後1時16分、兵庫県佐用町上月地区(頼光和弘撮影)佐用川に入り行方不明者の捜索をする警察のダイバーたち=15日午後1時16分、兵庫県佐用町上月地区(頼光和弘撮影)

またも水の苦しみ

 平福地区の避難所となっている「地域福祉センター」では15日、約1週間ぶりにデイサービスが再開された。14日夕に断水が解消され、風呂が使えるようになったためだ。再開初日は8人のお年寄りが訪れ、「久しぶりに湯船につかれてうれしい」と喜んだ。

 しかし、町全体では、水道の復旧は遅れている。15日現在、全世帯の1割以上にあたる約900世帯で断水が続き、完全復旧は17日になる見通し。復旧した地域でも利用は生活用水に限られ、飲料用として認められるのは早くても来週半ば以降となる。

 町役場には自衛隊や近隣市の給水車27台が待機し、給水を実施しているが、猛暑が続く中、水道の早期復旧を求める声は強く、住民らは「なぜこんなに水に苦しめられるのか」と不満を募らせている。

生活への不安

 豪雨で住居や店舗に被害を受けた住民には今後、経済的な負担が重くのしかかる。JR佐用駅前の佐用商店街では、約60店が浸水し、設備の損傷などを理由に閉店を決意した商店主もいる。

 35年にわたってパン屋を営んできた女性(56)は「パン焼き機や冷蔵庫などが全部水につかった。今さら借金もできないし、店はたたむしかない。周囲の商店主とも『もう(営業再開は)無理ね』という話ばかりで、精も根も尽き果てた」と肩を落とした。

 こうした事情を考慮し、町ではライフラインの復旧とともに経済的な支援を重視しており、被災者に見舞金を贈ることも検討中。13日からは改修のための支援策を練るため、町内の全家屋7500戸の実態調査も始めている。

このニュースの写真

佐用川に入り行方不明者の捜索をする警察のダイバーたち=15日午後1時16分、兵庫県佐用町上月地区(頼光和弘撮影)
被災した商店街でパンなどの食料品を扱う店を出していた岡本信男さん。「もう店は閉めるしかない」と肩を落とし後かたづけをしていた=15日午後3時02分、兵庫県佐用町(頼光和弘撮影)

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