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病室で母刺し自殺か羽村の病院 38歳次男 面会中21日午前11時40分頃、羽村市羽の羽村三慶病院で、「男性が腹部を刃物で刺した」と職員から110番があった。福生署員が駆けつけたところ、病室の床に福生市熊川、無職宇津紀彦容疑者(38)が胸から血を流して倒れ、近くのベッドの上で母親のウメ子さん(67)が腹部から血を流して横たわっていた。2人とも、間もなく死亡が確認された。同署では、紀彦容疑者がウメ子さんを刺した後、自殺したとみて調べている。 発表によると、ウメ子さんは昨年6月から、脳こうそくの後遺症で同病院に入院していた。紀彦容疑者の近くに果物ナイフ(刃渡り13センチ)があり、争った形跡がなかったという。 この日、紀彦容疑者は午前11時半前、ウメ子さんに面会するため病院を訪れた。病室は3階にあり、ウメ子さんのほか2人が入院していたが、事件当時、ほかの患者はいなかった。 紀彦容疑者は次男で父親とウメ子さんと暮らしていたが、今年3月に父親が死亡した。父親は会社を経営し、紀彦容疑者は手伝いをしていたという。 近くに住む、40歳代の女性会社員は「互いにいたわり合っているように見えた家族だけに、信じられない。奥さんはとても人当たりが良かった。次男も、お父さんに『薬忘れないようにね』と優しく声をかけるような人だった」と声を落とした。 白昼の病室内で起こった惨劇。第1報が伝わると、患者の家族や病院関係者の間に動揺が広がった。 入院中の妻を毎日見舞っているという男性(78)は「妻は2年以上入院しているが、平穏無事で静かな病院だった。まさかここで」と絶句した。男性の妻はウメ子さんと同じ病室で、時々あいさつを交わしていたという。 母親との面会に訪れた女性は「(事件当時)他の人はどうしていたのだろう。嫌ですね、悲惨な事件が近くでもあるなんて。つらいな」と表情を曇らせた。 男性職員は「突然のことで驚いている」と言葉少なに語った。 同病院によると、診療科目は内科とリハビリテーション科。ベッド数は計126床で、うち3、4階の計86床が療養病床に充てられている。 (2010年4月22日 読売新聞)
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