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舛添前厚労相:あす新党結成 離党し改革クと連携、自民冷ややか

 自民党の舛添要一前厚生労働相は21日、近く離党し新党を結成する意向を明らかにした。23日に新党を旗揚げする。同党と国会で統一会派を組む改革クラブの参院議員らが参加し、政党要件を満たす国会議員5人を確保する見通し。党首には舛添氏が就任する。ただ、自民党内で舛添氏に同調する動きは広がらず、実態は改革クラブの「衣替え」に近い。舛添氏の苦し紛れの一手を政界は冷ややかに受け止めている。

 舛添氏は21日、講演で訪れた川崎市内で記者団に、新党について「今、そういう詰めをしている」と認めた。そのうえで「タイムリミットに間に合うようにいろいろな政治家と話をしている」と述べ、今夏の参院選で政党名が法的に保護される4月26日から5月2日までの間に中央選挙管理会に新党を届け出る考えを示した。

 改革クラブの国会議員は5人。このうち渡辺秀央代表、荒井広幸幹事長、山内俊夫氏と、自民党の矢野哲朗元副外相が新党に参加する方向だ。19日に自民党に離党届を提出した小池正勝参院議員の参加も取りざたされているほか、新党「たちあがれ日本」に敬遠された鳩山邦夫元総務相が合流するとの見方もある。

 舛添氏は「外交、安保、経済をきちんと立て直す。体たらくの鳩山内閣を打倒する」と語る。しかし、結集軸はあいまいで、郵政民営化を推進する党内勉強会で会長を務める舛添氏に対し、改革クラブは「郵政の見直し」を掲げる。

 不協和音は早くも出始めている。舛添氏は「当然、私が党首になるから『舛添新党』だ」と記者団に強調したが、改革クラブの一人は「舛添新党に我々が参加するんじゃない。改革クラブに舛添さんが合流するということだ」と打ち消した。

 舛添氏は谷垣禎一総裁ら執行部を批判、党幹部が除名も辞さない構えをみせるなど、党内の風当たりは急速に高まっていた。

 舛添氏は党外に活路を求め先週から改革クラブとの協議を本格化させた。しかし、参加見通しの山内氏はすでに引退を表明し、矢野、小池両氏は自民党の公認から漏れた議員。いずれも今夏の参院選で改選を迎える。新たな政治勢力の結集にはほど遠く、与党幹部は「自民党からあぶれた議員の互助会だ」と一笑に付す。

 舛添氏を支持してきた若手議員すら「自民党内でものを言っていたから存在意義があったのに」と距離を置く。谷垣氏は「(離党は)まったく聞いてない」と素っ気なく語った。

 鳩山由紀夫首相は21日夜、記者団に「自民党さんも大変だなと。そのような思いはあります」と語った。【中田卓二、木下訓明】

毎日新聞 2010年4月22日 東京朝刊

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