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「日本書籍」が撤退 歴史教科書、自虐史観批判を受け
中学校社会で「従軍慰安婦」問題を取り上げるなどしてきた「日本書籍」の歴史教科書が、平成24年度から消えることが21日、関係者の話で分かった。発行元の日本書籍新社が同日の教科書検定申請期限までに、文部科学省に対して申請を行わなかった。「自虐的な歴史観に基づいている」とする批判を受け、採択する市町村が激減したのが一因とみられる。
「日本書籍」の教科書はもともと同名の会社が発行し、一時期は東京の全23区で採択されるなど歴史教科書の大手だった。しかし、採択シェアの低下などで16年に破産。その後、日本書籍新社が発行を引き継いでいた。
同教科書は、存在自体が議論の対象になっている「従軍慰安婦」の用語を使うなどして、日本の戦争責任を強調。現行の16年度検定の教科書でも、「元従軍慰安婦」という見出しの朝日新聞記事の写真を掲載、沖縄戦について「日本軍にスパイ容疑で殺されたり、『集団自決』を強制されたりした人々もあった」と記述したりしている。
こうした内容に「新しい歴史教科書をつくる会」などが「極端な自虐史観に基づいている」などと批判。採択する教育委員会が激減し、今年度の採択シェアは3%程度になっていた。
同会の藤岡信勝会長は「国民の意識や教育委員会の教科書採択現場が変わってきたということ」とコメント。一方、日本書籍新社は「いまは編集関係者がいないため、取材に応じられない」としている。