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日本の3GとiPhoneで「人生が変わった」 東京マラソン“Ust実況ランナー”が見た景色

4月20日14時28分配信 ITmedia News

日本の3GとiPhoneで「人生が変わった」 東京マラソン“Ust実況ランナー”が見た景色
英国出身のジョセフ・テイムさんは、日本の3G回線の速さに驚いたという。3G回線で何かやりたいと考え、選んだ舞台は東京マラソン。iPhoneとUstreamを使って自分が走る様子をライブ配信した
 英国出身のジョセフ・テイム(32)さんが来日して驚いたのは、「3G回線の速度が故郷よりも速い」ことだった。日本の3G回線を使って何かやりたい――そう考え思いついたのが、iPhoneを使った動画のライブ配信だ。

 今年2月の東京マラソンで、自分や周りのランナーが走る様子を、iPhoneからUstreamで配信した。Twitterには応援のコメントが次々に寄せられた。映像を見てテイムさんを知り、カレーパンを差し入れた人も。「これは夢か」と驚いた。

 UstreamとTwitterがなければ「ゴールできなかった」と振り返り、日本の3G回線とiPhoneで「人生が変わった」とまで話す。テイムさんは、2カ月経ったいまでも、あの日を思い出すと感動がこみ上げてくるようだ。

●富士山頂から皆既日食をライブ配信したことも

 外国人向け日本語教材を手がける出版社に勤め、マーケティングを担当している。ワーキングホリデーで来日し、北海道のペンションなどで1年間働いた後、母国の大学に戻って日本について学び、2008年7月に再来日した。

 日本の3G回線の速さに驚き、3G回線を使って動画のライブ配信をすれば面白そうだと考えた。当時のイギリスでは、3G回線の速度が遅いうえに料金が高く、携帯電話でネットを利用する人は周囲にほとんどいなかったという。日本人が携帯で時刻表を調べたり、漫画を読む姿を見て「本当にすごい! と思った」と振り返る。

 再来日してすぐにiPhoneを購入。JailBreak(iPhoneのロックを解除して、非公認アプリを実行できるようにする行為)し、ライブ配信できるサイト「Qik」に自分のiPhoneを対応させた。

 「抽選に外れて出場できなかったランナーに楽しんでもらいたい」――昨年3月の東京マラソンで10キロの部に出走し、QikとiPhoneを使ってのライブ配信に初挑戦した。映像が遅延するなど反省点もあったが、トータル1000人が視聴。「すごい」「もっとやってほしい」といった感想が寄せられたという。

 富士山の山頂からライブ配信したこともある。昨年7月にMacbookとNTTドコモのデータ通信カードを担いで登山。頂上で天気が崩れ、いったん8合目まで下ったが、天気が回復したため再び山頂へ戻り、無事Ustreamで日食の様子を届けた。

●今年も東京マラソン 3台のiPhoneでライブ配信

 そして今年2月、3台のiPhoneを装備して再び東京マラソンに出走した。今回はフルマラソン。1台は映像を撮影し、Ustreamに配信するのに使う。前回はQikを利用したが、今回は、Twitterと連携しているUstreamの方が、より多くの人に参加した気分になってもらえると考えた。

 もう1台では「Glympse」というアプリを起動し、現在位置をリアルタイムで公開。Googleマップ上で確認できるようにした。もう1台はTwitter用。つぶやきを読み上げるアプリ「TweetTalk」を使って、反響をチェックすることにした。

 目立つようにとウサギ耳も着けて走った。当初はバニーガールの衣装を着る予定だったが妻に反対されたため、ウサミミだけになったという。

 Twitterで呼びかけて集まった10人の仲間もテイムさんの挑戦を盛り立てる。お台場のホテルの一室に設けた即席スタジオに2人、マラソンコース沿道に8人を配置し、テイムさんの様子を随時Ustreamで生リポートした。

●カレーパンの差し入れに感動

 テイムさんのUst中継はスタート直後から70人が視聴。テイムさんが英語で周りのランナーの様子を実況したり、沿道からの声援に応える様子が配信される。Twitterには映像を見たユーザーから「がんばれ!」「もうちょいだ!」といった応援が次々に投稿されていった。

 TweetTalkが日本語に対応していなかったため、テイムさんはしばらくTwitterの盛り上がりに気付かなかったという。「信じられない」――改めてタイムラインを見てびっくり。フォロワーは数百人増えており、ほとんどが日本人だった。

 テイムさんはこれまでライブ配信する時は主に英語で実況してきたという。勉強中の日本語を披露するのは恥ずかしいという思いがあったからだ。だが今回は途中で「日本語を使おう」と決心。「40キロ地点です」「太鼓の音がきこえます」などと日本語の解説を挟むようにした。

 マラソン終盤、疲れてきたテイムさんを元気づけるハプニングがあった。「テイムさん頑張ってー」と見知らぬ親子に呼びかけられ、カレーパンを渡されたのだ。親子はUstreamの映像を見てテイムさんを知り、沿道で待ってくれていたという。

 「これは夢か?」と信じられない気持ちだった。疲れも吹き飛び、「気持ちが100%になった」と振り返る。カレーパンの半分は、近くを走っていたタレントのボビー・オロゴンさんにおすそ分け。「甘いもの欲しいんだけどー」とボビーさんは冗談を飛ばしつつ、食べていたそうだ。

 東京マラソンのUstream配信を通じて、テイムさんは、ランナーと応援している人が一体になれたと感じている。Twitterの応援メッセージがなければ「ゴールできなかった」とも振り返る。最近は、Twitterを通じて日本に住む友達も増えた。UstreamとTwitterを快適に使えるiPhoneと日本の3G回線のおかげで、「人生が変わった」とまで言い切る。

 ライブ配信は今後も続けるつもりだ。自転車で全国を回る様子を配信したり、ソフトバンクのUstreamスタジオも使ってみたいと考えている。【宮本真希】

最終更新:4月20日14時28分

ITmedia News

 

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