【社会】希少魚ハリヨ捕獲し販売 愛知県警、滋賀の男逮捕2010年4月21日 朝刊
希少種の淡水魚ハリヨを捕獲し、インターネットオークションで販売したとして、愛知県警生活経済課と一宮署は20日、滋賀県愛荘町沓掛、無職中村正文容疑者(35)を「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」違反の疑いで逮捕した。同署によると、中村容疑者は容疑を認め「捕獲が禁止されていることは知っていた。金がほしかった」と供述しているという。 逮捕容疑では昨年11月ごろ、同県彦根市長曽根町の芹川でハリヨ28匹を捕獲したとされる。 同署によると、中村容疑者は熱帯魚飼育が趣味で、捕獲した魚は自宅で飼育していた。これまでに100匹以上のハリヨを捕獲し、その大半をオークションサイトで販売。このうち、20匹を名古屋市の男性に、6匹を島根県の男性に計1万4000円で販売していた。 同署などは1月、一宮市内の木曽川で希少種の淡水魚イタセンパラを違法捕獲した疑いで、市内の男ら3人を逮捕した。この事件が報道されると、「ネットでハリヨが販売されている」との情報が同署に寄せられ、捜査が始まったという。 【ハリヨ】 トゲウオ科の淡水魚で全長5〜7センチ。滋賀県北東部と岐阜県南西部に生息。20度以下の低水温で清澄な水を好む。かつては三重県にも生息していたが、1950年代に絶滅。環境省の絶滅危惧(きぐ)種に指定されている。滋賀県では希少種の保護、外来種対策を強化するため条例を制定しており、ハリヨなど動物10種と植物12種を希少野生動植物種に指定している。
|