心をつかむプレゼン、「3点・3秒・5分」テクニックとNGワード日経ウーマンオンライン(日経ウーマン)4月21日(水) 11時36分配信 / エンターテインメント - エンタメ総合
【詳細画像または表】 プレゼンやスピーチなど複数の聞き手のいる場面は苦手。どう話していいのかわからない――。そんな人は多いだろう。読者アンケートの結果を見ると、仕事上で身につけたいコミュニケーションスキルの第1位がプレゼン力だった。 経験が少ない、緊張してしまうなどを理由に尻込みしてしまいがちなプレゼンだが「ポイントをつかんで訓練すれば、誰でも必ずいいプレゼンができるようになる。テクニックを知ることが大切」とコミュニケーション術の講師を務める大嶋利佳さん。例えば、話す内容や資料以外に、声や視線、手の動きは特に重要な表現方法となる。「聞き手はどんな人が“どう”伝えるのかを見ています。感じのいい人と印象付けられれば話は伝わりやすくなります」。手や目の動きに落ち着きがないと、いくら内容がよくても信用できないと判断されるかもしれないのだ。 「プレゼンは聞き手の心をつかむ最初の5分と、最後の質疑応答が勝負」とは、数多くのプレゼンをこなす河野真理子さん。最初の5分で場の雰囲気からニーズを察知し、臨機応変に話題を変えて聞く気にさせる。また、最後の質疑応答のために、質問として出そうな内容をかなり細かい部分まで事前に調べ、データにしておきたい。それに加えて、誠実な態度で受け答えをすることで相手の信頼を得られる。 「プレゼンの最終目標は、その内容を相手に理解してもらい、やる気にさせることです。だから社内のプレゼンなら会社の抱える問題点を前もって調べて内容に盛り込み、メリットを強調するとか、『終了後、感想を聞かせてください』と聞き手のキーパーソンへ事前にひと言伝えて根回しするのも時には必要なことです」(河野さん) 以下は識者から聞いた7つの基本プレゼンテクニック。実践してみて。 ◆1 伝える内容 15分のプレゼンで聞き手に伝わるポイントは3つだけ!?伝えたいポイントはとことんそぎ落とす プレゼンでは、伝えたいことをつい詰め込んでしまいがち。しかし聞き手からすると、終わって1時間後にプレゼンの内容をすべて思い出すことは難しい。「伝えたいことを自問して、目安として15分のプレゼンなら最大でも3つにポイントを集約すること。すると聞き手の記憶に残りやすくなる。結論を先に伝えるPREP法もプレゼンでは使えます。資料作りにも役立ててみて」(大嶋さん) ◆2 つかみ 心をつかむにも準備が大事! 冒頭の5分で聞く気にさせる 参加者の全員が積極的に話を聞きに来ているとは限らない。最初の5分で聞き手の心をつかむための事前リサーチは有効。「参加者の年齢層を事前に調べ、テーマに即した身近な話題を盛り込む工夫をしてみる。年上の参加者が多いなら、『若輩者ですがたまたまこの分野を専門としている立場から、僭越ではありますが、お話させていただきます』と、謙虚な姿勢を示すといい」(河野さん)。下のようなNGワードにも注意を。 ◆3 見た目 目を引きすぎるアクセサリーはNG!ヘアスタイルは額と耳を意識的に出して 大きなイヤリング、華やかなコサージュ…。お洒落をしたつもりでも、過度に目立つものだと聞き手の集中力は削がれてしまう。ファッションはあくまでシンプルを心がけて。また、聞き手の信頼感をより高めるには、額と耳を出したヘアスタイルがおすすめ。「表情をよく見せるため、前髪は上げて眉毛や目元は全部見せるほうがいい。さらに、髪に手をやるしぐさは意外に気になるもの。これを防ぐことができます」(大嶋さん) ◆4 話し方 聞き手と目的で使い分ける 長いプレゼンには時々トーンを変えて 声にも表情があると言われるように、相手に伝えたい内容に応じて使い分けよう。お腹、胸、喉のどこから声を出すか意識するだけでもトーンは変わる。「長時間にわたって話す時には低めの声のほうが聞き手にはラクですが、同じ調子だと眠気を誘ってしまいます。途中、トーンを上げてみるとか、メリハリをつけましょう」(大嶋さん)。ICレコーダーなどに自分の話す声を録音して、客観的にチェックしてみて ◆5 アイコンタクト 上下動ではなく水平移動聞き手ひとりに3秒のアイコンタクトを 聞き手ではなく天井の方向を見る、資料ばかりに目を落とす、落ち着くことなく視線を上下動させる…。これらは自信がない、熱意がないと誤解されてしまう視線の動きだという。逆に、「全体を見なければと思うあまり、首振り扇風機のように早く視線を動かしてしまう人がいますが、これもNGです」(大嶋さん)。聞き手ひとり、人数が多ければ1つのブロックを3秒間ずつ見るようにしてみよう。「相手はハッとして、集中度がアップするんですよ」 ◆6 手の動き ホームポジションは体の前方に 身振り手振りは思い切って堂々と プレゼンが下手な人は無意識に落ち着きのない手の動きをするという。「動かした後に必ず戻す場所、手のホームポジションを決めてみて」(大嶋さん)。基本はお腹の辺りに軽く手を組むようにして、使う時だけ動かすように意識。また、手を動かしながら話す時は胸より高い位置で堂々と。「資料を映したスクリーンを指す時には、指先をしっかり伸ばして手のひらを聞き手に見せると美しい」 ◆7 質問を受ける・答える プレゼンの成功は最後のスマートな質疑応答にあり 質問はすぐに答えず、周囲も巻き込んで プレゼン時は1対大勢のコミュニケーションだけど、質疑応答に限っては質問者と1対1になる。すると質問者以外の人たちは傍観者となってしまい、場の空気が散漫になる恐れも。「質問が出たら1回受け止めて、全員にアイコンタクトを送り、質問内容を全員に振って巻き込むようにして。同じ人から何度も質問を繰り返されて、延々と議論になるのを防ぐこともできます」(大嶋さん) ◆わかっていてもついつい…使ってない?NGワード> 「えーと」「あのー」 同じ音を繰り返す、言いよどみは自信のなさや準備不足を感じさせる。言いそうになったら息をのみ、間を作って回避 「○○とか」「○○のほう」 最近目立つ無意味な言葉の繰り返しは、聞き手の集中力を削ぐことに <この人たちに聞きました> 大嶋利佳さん スピーキングエッセイ代表 会社勤務の後、専門学校教員としてビジネスマナー、就職試験指導などを担当。95年に起業し、研修会社を設立。著書に『職場での「正しいモノの言い方」養成講座』(秀和システム)など 河野真理子さん キャリアネットワーク 代表取締役会長 人材育成コンサルタント パイオニアグループに入社し、人材開発や育成等の業務に携わったのち89年に同社を設立し常務に就任。02年から現職。多くの企業や自治体などで人材育成やキャリアデザインに関するアドバイスを行う 取材・文/田中祥子、佐藤珠希、古屋留美、瀬戸久美子、長野洋子 イラスト/永野敬子 【関連記事】 初対面の人に好かれる表情・目線・声 「聞き上手」になれる15のポイント ちゃんと伝わる!男上司・完全攻略法 上司に物申せるかどうかは5年で決まる
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