まあ、熱くなって私も気持ちの中に有ること無いこといろいろ言いましたが、「がんばれ」と思う人はまったく不自然ではない。おかしなのは、「強制」することなんですね。そこに危うさを感じるのです。
起立などの強制はおかしい
第二次世界大戦が終結して間もなく、GHQ(連合国軍総司令部)は、日本教育の民主化を目指して、教員組合の組織化を指示しました。結成に当たって我々は、戦前、戦中の教育の反省に立ち「教え子を再び戦場に送らない」を誓いの言葉としたのです。
国旗掲揚、国家斉唱にしても、「国旗国歌法」が制定されたわけですから、それに背く気もありません。ただ、起立などを強制することについて、私はおかしいと思いますね。
―― 戦後、長らく文部省(当時)とは対立路線を取ったが、村山富市政権下の1995年には“歴史的和解”が同省などとの間で実現しました。
かつての強硬路線はやめ、対話を重視することにしました。そう、開かれた日教組です。だからこそ今日もこうしてインタビューに答えさせてもらっているのです。あまり良くは書かれないだろうな、って思いつつもね。
―― お時間を頂いたのは、弊誌としてもちろんとても感謝いたしております。ただ、その“開かれた日教組”とは真逆に映ってしまうのが、傘下の北教組を舞台にした「政治とカネ」の問題です。民主党衆院議員の小林千代美陣営への違法献金に関与したとして、北教組幹部が逮捕、起訴されました。その原資とされるのが、管理・監督強化への反対運動のため組合にプールしてきた「主任手当」とも言われます。
時代錯誤の北教組
それはないでしょう。ただし、対外的な姿勢について言えば、北教組にも問題があったかなと思っています。(事件を受けて北教組は、政治資金規正法に違反する事実は一切なく)不当な組織弾圧と言わざるを得ない、との声明を出しました。
それを公表する前に、実のところ我々は北教組幹部に対して、「教育という2文字を冠する限り、疑われた段階で保護者などにはお詫びをすべきだ」と伝えていたのです。しかし、それが反映されることはありませんでした。
―― 反映されていれば、社会の見る目も変わるきっかけになりましたか。
勘弁してくれよって北教組には言いたいですよ。正直。「そこのけ、そこのけ、北教組が通る」とかって、もうそんな時代じゃないですよね。記者さんもそう思うでしょ。オープンな組織を目指していきますから、よく見ておいてくださいよ。
日経ビジネス4月19日号に以下のリポートを掲載しています。
シリーズ・ニッポンの聖域 日本教職員組合
学校運営を時に阻害し、できるだけ楽な労働を追い求める。
誰も知らない日教組の素顔に迫る。
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