「ニッポンの聖域」

ニッポンの聖域

2010年4月21日(水)

「日教組」ってイメージ悪い?

執行委員長が激白「それは校長がだらしないから」

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 ―― その通りですね。授業が分からないためクラスに馴染めず、不登校になる小学生や中学生もいます。そうした子どものために、学校5日制に拘らず土曜授業もあっていいとの考え方もあります。私立学校のように。

いまだに存在する「校長着任交渉」

 そんな質問より、教職員の数を増やしてもらいたいね。もう今、教育現場は大変なんですよ。数年前から、説明責任、説明責任とか言われてね。(公立学校の設置者である)教育委員会や文部科学省への報告やそれに伴う雑務に、教師は日々追われてしまっている。もっと、スタッフ職の人がいないと、教師の仕事は回っていかないのが現実です。

 ―― 本当にそうでしょうか。例えば北海道のある公立中学校の校長からは「(日教組に加盟する)北海道教職員組合(北教組)は、毎日、いかに楽して稼ぐかばかりを考えている」との厳しい声も聞かれます。新任校長に対して、組合は従順な人物かどうかの瀬踏みをする「校長着任交渉」を学校単位で実施する。その後も1カ月おきに「校長交渉」が行われています。組合の同意がなければ、校内人事すら行えない学校もあるようです。

 まだやってます? 北海道ねえ。一部の学校でしょう。ただ誤解してほしくないのは、校長が着任するのを組合が拒否したりするものではありませんからね。

だから北教組につけ込まれるんですよ

 我々、教育に携わる公務員には、労働三権のうち労働組合を作る団結権はありますが、団体交渉権と争議権は認められていません。だから、民主的な職場を作っていくためにも、教師が校長などに対してモノを言える環境があってもおかしくないと思うんです。

 でも、今のご指摘について言えば、(校長が)自分の指導力が欠如しているんじゃないですか。だらしないんですよ。全部、組合のせいにして。雑な表現で恐縮ですけど、だから北教組につけ込まれるんですよ。

 ―― 確かにつけ込まれることが多いようです。

 イメージ悪いですよね、でも、「校長交渉」とか言うと。校長を差しおいて組合が校内を牛耳っているみたいに聞こえますから。我々にだって正当な理由があるけど、それにしても世間とか親御さんからの印象は悪いよね。

 1つ申し上げておくと、北教組の方針に対して、日教組がああせいこうせいとは言えないんです。逃げるわけじゃないですけど。我々は、本部と支部というタテの関係ではなくって、各都道府県の単組が日教組に加盟する連合体なんです。

「なべぶた式」でいいじゃないかと主張

 ―― 日教組は職場で監督されること、序列化を極端に嫌います。学校における組織運営というものをいかがお考えですか。

 教育職場に、上意下達の指揮命令は馴染まないんです。文科省や教育委員会があって、そのもとに学校があって、そこに校長がいて教頭がいる。おまけに(教務主任や、学年主任といった)主任制度まである。

 我々は、「なべぶた式」でいいじゃないかと主張してきたのです。つまり、学校の監督者として校長くらいはいていいけれど、その下はフラットな形という意味です。そんなに細かく階層化してもいいことなんて何1つない。

 ―― 企業では社長や、取締役、部長、課長、係長など、ある程度の階層があるし、それは官庁などの公務員も同じこと。なぜそこまで階層化、序列化が嫌なのですか。階層化に伴う上司からの評価を高めるための努力が面倒くさいのですか。



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少子高齢化や多額の政府債務残高といった難問揃いの日本。「聖域」としてこれまであえて手を触れなかった領域にこそ、我が国成長の源泉があるのではないか。そんな問題意識から成るシリーズです。一歩前に進むためのヒントを探していきます。

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