国民生活センターは21日、風呂の湯に浸すとラドンやラジウム温泉になるとうたった鉱石などの商品について、実際には「温泉」の基準を満たす濃度にはならないとする商品テスト結果を発表した。効果もほとんどないとみられるが、購入に100万円以上を使ったケースもあり、同センターは「広告に惑わされないよう注意して」と呼びかけている。
商品は、鉱石や鉱石をセラミックボールに加工したものなどで、主に訪問販売されている。テストでは通信販売で購入した10商品を42度の湯180リットルに30分間入れ、ラドンとラジウムの濃度を測った。
その結果、ラドンは水道水と同じレベルしかなく、ラジウムの濃度も測定できないほど低かった。両物質とも、温泉法で定められた基準値を大きく下回った。また、医薬品でないのに効能表示をしていたものもあり、薬事法上も問題となる恐れがあるという。
同センターなどには、2004年度から10年2月まで計387件の相談があり、1件の購入価格は30万〜50万円が多かった。「使用3カ月後に湿疹ができ、薬害の診断を受けた」と健康被害を訴える相談も5件あった。(小林未来)