上空からのレーダー観測によるアイスランド・エイヤフィヤトラ氷河にある火山の火口=15日のデータから作製、アイスランド沿岸警備隊提供
オスロのムンク美術館所蔵の「叫び」=ロイター
【ココビーチ(米フロリダ州)=勝田敏彦】欧州の空路をまひさせているアイスランド・エイヤフィヤトラ氷河火山の火口をとらえたレーダー画像があの名画にそっくり――そんな話が欧米メディアで話題になっている。
この画像はアイスランド沿岸警備隊が15日、上空を飛んだ航空機のレーダー観測から作成した。目立つ三つの火口が顔のような形を作り、ノルウェーの画家ムンクの「叫び」で描かれた人物と似ているというのだ。
単なる「そら似」かもしれないが、一方でムンクが「叫び」を描いたとされる1893年の10年前、インドネシアのクラカトア火山が大規模な噴火を起こして火山灰が世界各地に流れたことが、名画誕生のきっかけになったと指摘する意見もある。
米国在住の作家サイモン・ウィンチェスター氏は16日、米公共放送PBSの番組で「ムンクは『叫び』を描いたとき、火山灰でオスロ上空がぞっとするオレンジ色や紫になったことを思い出していたと思う」と話した。
英デーリー・メール電子版によると、ムンクは日記に「夕暮れどきに友人と歩いていると、空が突然、血の赤に染まった。火炎と血とを見て、無限の叫びが自然を通過していくと感じた」などと記している。
なお同沿岸警備隊は18日の観測でも画像を作成。二つを見比べると、主要な火口は現在も成長していることがわかる。