ニコン AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II 実写レポート

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公開日2009年10月07日

 ニコンの高倍率ズームレンズ「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」が登場した。このレンズは、メーカー純正ながら11.1倍のズーム域をカバーして人気を博した先代レンズをリニューアルしたもので、今回D300Sのキットレンズにも設定されている。さっそくこのレンズをD300Sに装着し、鉄道を撮影してみた。

「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」実写画像

「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」実写画像:1/9

カメラ:D300S/レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II(42mmで使用)/露出モード:マニュアル露出/絞り:F4.5/シャッタースピード:1/6,000秒/ISO感度:400/WB:晴天/ピクチャーコントロール:スタンダード/JPEG(L/画質 FINE)
高速シャッターが必要な鉄道写真では絞り開放撮影による周辺光量落ちが気になるところだが、青空バックで絞り開放という条件にもかかわらず周辺光量落ちはまったくなかった。

「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」実写画像:2/9

カメラ:D300S/レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II(170mmで使用)/露出モード:絞り優先オート/絞り:F38/シャッタースピード:1/3秒/露出補正:+1EV/ISO感度:Lo 1(100相当)/WB:晴天日陰/ピクチャーコントロール:スタンダード/JPEG(L/画質 FINE)
広いズーム域は表現の幅も広げてくれる。遠くから近づいてくる列車を低速シャッターでズーミングしながら流し撮り。ズームリングの操作も滑らかで気持ちいい。

「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」実写画像:3/9

カメラ:D300S/レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II(35mmで使用)/露出モード:絞り優先オート/絞り:F27/シャッタースピード:1/30秒/露出補正:+1EV/ISO感度:Lo 1(100相当)/WB:晴天日陰/ピクチャーコントロール:スタンダード/JPEG(L/画質 FINE)
太陽が画面に入るほどの完全逆光で撮影。こうした条件では、ズームレンズは画面全体が真っ白にハレーションを起こしてしまいがちだが、新コーティングの恩恵でここまでクリアに再現。フレアの出方も悪くない。

「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」実写画像:5/9

カメラ:D300S/レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II(170mmで使用)/露出モード:マニュアル露出/絞り:F5.6/シャッタースピード:1/125秒/ISO感度:200/WB:曇天/ピクチャーコントロール:スタンダード/JPEG(L/画質 FINE)
ニコンDXフォーマット専用レンズのため、テレ側の焦点距離は35mm判換算で300mmまでをカバー。この作品は170mm(35mm換算で255mm)で手前の森をぼかして銚子電鉄を撮影したが、超望遠らしい圧縮感を出すことができた。

「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」実写画像:4/9

カメラ:D300S/レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II(18mmで使用)/露出モード:シャッター優先オート/絞り:F13/シャッタースピード:1/60秒/露出補正:-1EV/ISO感度:200/WB:晴天日陰/ピクチャーコントロール:スタンダード/JPEG(L/画質 FINE)
列車の側面に夕日が反射する瞬間を流し撮り。18mmであえて空を大きく入れて空気感を演出した。広角から望遠までをカバーする高倍率ズームなら、普段は撮影しないような画角を気軽に試せることで表現の幅も広がる。

「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」実写画像:6/9

カメラ:D300S/レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II(170mmで使用)/露出モード:シャッター優先オート/絞り:F5.6/シャッタースピード:1/60秒/露出補正:-1EV/ISO感度:200/WB:晴天日陰/ピクチャーコントロール:スタンダード/JPEG(L/画質 FINE)
左と同じ場所で今度は170mmで撮影。残照の反射がボディの質感を再現してくれた。同じレンズで撮影したとは思えないでしょ? コントラストは高めで、ヌケの良い描写力は気持ちのいい作品を生み出してくれる。

「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」実写画像:7/9

カメラ:D300S/レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II(200mmで使用)/露出モード:マニュアル露出/絞り:F5.6/シャッタースピード:1/125秒/ISO感度:200/WB:晴天日陰/ピクチャーコントロール:スタンダード/JPEG(L/画質 FINE)
突然現れた線路を歩くワンちゃん。その後ろ姿をとっさに200mmで撮影した。こんなときレンズ交換をしていたら、このゆるいシーンを逃してしまっただろうなぁ。まさに高倍率ズームの実力発揮の瞬間だ。

「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」実写画像:8/9

カメラ:D300S/レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II(18mmで使用)/露出モード:絞り優先オート/絞り:F16/シャッタースピード:1/60秒/露出補正:+0.5EV/ISO感度:200/WB:晴天/ピクチャーコントロール:スタンダード/JPEG(L/画質 FINE)
明暗差のある条件でもスッキリとした描写力が好ましい。厳しい設計条件の高倍率ズームながら、色収差の出やすい架線や葉っぱの先端にもまったく色収差が見られない。

「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」実写画像:9/9

カメラ:D300S/レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II(105mmで使用)/露出モード:絞り優先オート/絞り:F6.7/シャッタースピード:1/250秒/露出補正:+0.5EV/ISO感度:Lo 1(100相当)/WB:晴天日陰/ピクチャーコントロール:スタンダード/JPEG(L/画質 FINE)
手前の花にピントを合わせて都電を撮影。ヘッドライトとその反射の点光源も円形で美しいぼけ味で、偽色の発生もない。ライブビューを拡大表示させれば、花の先端のような繊細なピント合わせも可能になる。

 

 先代レンズからの進化点は、広い波長域で高い透過率を実現する「ニコンスーパーインテグレーテッドコーティング」の効果が高められた点と、携帯時にレンズ先端の重みで鏡筒が自然に伸びてしまうズーム自重落下を防止する「ズームロックスイッチ」が新設された点で、光学系を含めた基本設計は先代と同じだ。
 実際に撮影地に持っていくと、広角から望遠まで1本でこなす高倍率ズームの便利さをあらためて実感することができた。カバーする画角の広さはもちろん、レンズ交換を減らすことでカメラ内にホコリ等が入るのを極力抑えられる、機材の軽量化によりフットワークが軽くなるなど、その恩恵は計り知れない。
 描写力もなかなかいい。新コーティングの恩恵で先代よりもヌケ、コントラストともに改善され、逆光時のフレアの発生も少ない。ファインダー内での置きピン時に、ピントの山の読みづらさを感じるケースもあったが、D300Sのライブビューを拡大表示させてピントを確認すれば解消することができた。
 先代の人気レンズをより熟成させ、完成度を高めたこのレンズは、スナップから本気撮りまでオールラウンドに活躍してくれるはずだ。

撮影/レポート:中井精也

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