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プラスチック:鋼並み、強度は7倍 軽く、町工場でも加工可能

大人が両端を強く引っ張っても切れない「鋼並み」のプラスチック。右が彦坂正道特任教授=文部科学省で2010年4月19日、山田大輔撮影
大人が両端を強く引っ張っても切れない「鋼並み」のプラスチック。右が彦坂正道特任教授=文部科学省で2010年4月19日、山田大輔撮影

 鋼のように強く、軽くて安いプラスチックを開発したと、広島大の彦坂正道特任教授(高分子物理学)と岡田聖香博士研究員らが19日発表した。車に使えばバンパーや内装、車体の外板やガラスなど、材料の40%以上に活用できるという。省エネや省資源、低コスト化に貢献しそうだ。

 材料は、食品容器など身の回りで広く使われているポリプロピレン。研究チームは、溶けた材料を冷やして固める際、上下から瞬時に板でつぶして延ばすと、材料の中に微小な結晶がたくさんでき、それが一方向に並んで強く結びつく構造が生じることを発見した。

 この結果、引っ張る力に対する強度が普通のポリプロピレンの約7倍、鉄鋼やステンレスの約半分に高まった。厚さを2倍にすれば鋼板並みの強度を確保できる上、重さは4分の1で済むという。また、繰り返し曲げても割れにくく、ガラス並みに透明にもできる。彦坂教授は「この方法ならつぶす工程が加わるだけで、町工場でも簡単に製品に使える」と説明する。【山田大輔】

毎日新聞 2010年4月20日 東京朝刊

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