哨戒艦沈没:北朝鮮偵察総局の関与説浮上(上)

 北朝鮮で韓国への対南工作を統括する「偵察総局」の存在がクローズアップされている。朝鮮労働党のファン・ジャンヨプ元書記(87)を暗殺するために偽装脱北し、韓国に入国したとして20日に逮捕された北朝鮮のスパイ二人が偵察総局の所属だったことが明らかになったほか、哨戒艦「天安」の沈没事件も当初から「北朝鮮の仕業だとすれば、偵察総局が関与しているはずだ」(韓国安全保障当局者)との疑惑が存在していた。元世勲(ウォン・セフン)国家情報院長は今月6日、国会情報委員会で、北京で活動中の北朝鮮関係者が「『天安』の事件は偵察総局の金英徹(キム・ヨンチョル)の作品だ」と述べたという。

 安全保障当局によると、偵察総局は2009年2月に労働党作戦部(スパイ・浸透作戦担当)と35号室(対外情報調査部・海外工作担当)が人民武力部傘下の偵察局と統合されて発足した。対南工作の総本部の役割を果たすものだ。偵察総局長は金英徹上将(韓国軍の中将に相当)は、08年11月に開城工業団地で韓国企業に「出て行け」と迫った対南強硬派だ。

 検察によると、金上将は今回逮捕されたスパイ二人に対し、「ファン・ジャンヨプを暗殺しろ」と直接指示していたという。偵察総局は形式上、人民武力部の傘下機関だが、韓国政府消息筋によれば、最高権力機関の国防委員会が直接統括し、金正日(キム・ジョンイル)総書記(国防委員長)の最側近の呉克烈(オ・グクリョル)国防委員会副委員長(大将)が対南工作を総指揮しているという。人民武力部は国防委の直属機関だ。

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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