東日本ボクシング協会の預かり選手となっている、前WBC世界フライ級王者・亀田興毅(23)とWBA世界フライ級王者・大毅(21)が19日、フジテレビ系の「スーパーニュース」に出演し、今後の練習環境に関して不安を訴えた。父・史郎氏(44)がセコンドライセンス取り消し処分を受けた後、兄弟は初めて騒動に関して言及。和毅を含めた亀田3兄弟を別々のジムで練習させるという東日本協会の方針に対し、興毅は「今までの環境が奪われるのはつらい」と苦しい胸の内を吐露した。
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5分以上にわたるインタビューの中で、興毅と大毅は切々と現状を語った。父・史郎氏の処分について「オヤジはああいう人やからね。こういう結果になって仕方ないと思う」と言及した興毅は、「一番は(練習)環境が大事。今までの環境を奪われるのはつらい」と自身の置かれる立場を嘆いた。
13日の日本ボクシングコミッション(JBC)による倫理委員会で、史郎氏が事実上の永久追放を意味するセコンドライセンスの取り消し処分を受け、亀田ジムの五十嵐紀行会長は、クラブオーナー、プロモーターライセンスの無期限停止処分を受けた。
五十嵐会長の処分を先送りしていた東日本協会は15日、亀田ジムが活動停止状態にあるため、3兄弟を別々のジムで練習させる方針を打ち出した。東日本協会によると、五十嵐会長にその旨を通達したというが、選手である3兄弟との話し合いはなく、一方的に通達した形だ。
すでに3兄弟の受け入れ先として渡嘉敷ジム(東京・中野区)、ワールドスポーツジム(東京・足立区)、セレスジム(千葉・柏市)が内定しており、あとは東日本協会が設けた調査委員会の正式決定を待つだけ。ただ3兄弟に帯同するトレーナーの問題や、受け入れ先の3ジムが3兄弟の自宅から車で1時間近くかかるなど、解決すべき問題は残されている。
「(協会と)しっかりとした話、具体的な話はしていない」とこぼした興毅は「練習環境が一番やし、選手生命にもかかってくる」と引退の危機感すら抱いている。一方、現役の世界王者である大毅は「それ(練習環境)が一番の不安です」と先の見えない状況に言葉少なだった。